■アパート_指/11/12/01:35■

 少女は俺のベッドでスヤスヤと寝息をたてている。俺は呆然とそれを見て立ち尽くしていた。


 これは状況証拠が非常にまずいのでは…。


 あーもう、何故こんなに早く寝る!?

 いや、確かに深夜だけどさ!

 お腹一杯になったら寝るのもわかるよ!?


 神様仏様、俺に何の試練を与えてるんですかこれ…


 喪服のワンピースから無防備に伸びる青白い脚は暴力極まりない。

 この黒い布さえめくってしまえば性別がハッキリする。性別さえハッキリすればモヤモヤも解消して集中できるはず、それになんだか少女はモッコリしている気がするので少年という可能性は高いのではないか?同性だと分かればどれ程安心できるだろうか。


 俺は両手で布のはしを持ち上げ…

 

 青白い程に色白な肌を…


 隠すように、布団をかぶせた。


 ええい、その色白の腕に足…目の毒だ!


「神様、どうぞ神様のお力によりお守りください。祓いたまえ清めたまえ、祓いたまえ清めたまえ」


 俺は俺自身の精神をおさめるために一心不乱に目をつぶって神にすがった。


 するとすぐに何かが光ったような気がして目を開ける。あくまで目をつむっていたのでわからないが、何か違和感を感じる。


 …ポタ

   

 水滴が一滴床に落ちた。


 赤い斑点…。

 

 あわてて確認する、俺の鼻血ではない


「…あれ」


 血を拭うためにティッシュを取り出すと赤く染まった。静電気にやられた指から出血していたようだ。


 あーもう、なんでこんなことに。結局なにも分からず終いで朝を迎えるのはヤバイ気がする。


 …しかしなんだかんだで、少年にしろ少女にしろ寝顔がかわ……ごほんごほん!


 そ…そうか!

 寝ているならコンビニまで携帯を取りに行ける!

 これだけぐっすり寝ているならなんとかなるのではないか?


 指に絆創膏をはり、俺はコンビニへ向かうためにダウンコートを着て玄関へ向かった。


 






 


 









  

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