■アパート_室内/11/12/01:01■
扉はほんの少し開いた程度で止まり、中から出てくる気配も俺を呼ぶ気配も無い。
恐る恐る中を確認すると玄関とキッチンには誰もおらず、おそらく奥の部屋に移動したのたろうか?なんとなく物音を感じる。
「…お」
一声掛けようかとおもったが、何故自分の家でお邪魔しますなんだと思い直して途中で口を閉ざす。
普段なら部屋に入れば鍵をするが、鍵の閉まる音が少女に警戒心を与えるのではないと考えてあえて鍵をせずにおく。
「入るよ」
返事は当然のように無いがとりあえず言葉にする事が大事な気がする。
ここで1つ問題が発生した、急に冷えたために俺もトイレに行きたくなってきたのだ。
しかし少女が使用した後にすぐ入るのは人として何か大切なモノを失う気がして無理やり我慢する。
そして奥の部屋を覗く。
汚くは無いが特に綺麗でもなく、コタツとベッドでほぼ埋め尽くされている寝るためだけの部屋に少女はいた。
ベッドでなくコタツに入っていたのはコタツ上のノートパソコンが気になっての事かもしれない。
「ちょっと何か作るから待ってて。コタツもパソコンも使いたいなら電源入れたら良いから」
少女からの返事を待たずキッチンに戻る。
「はぁ…現実だよやっぱり…」
少女の姿を見て気が重くなるが、ひとまずできる事をするしかない
俺は手際よく鍋に水を入れてコンロにセットし、常備している粉末スープを入れて火をかけた。
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