レディ・カリヤは狼くんに出会う
ぽえーひろーん_(_っ・ω・)っヌーン
人生最後の
「——ずっと好きでした!
俺と、付き合ってください!」
私の目の前で
そんなコトバと共に
深く頭を下げる同級生の男子
ロマンチックな
夕暮れの朱に染まる屋上は
うってつけの舞台だった。
未だに深く頭を下げて
懇願するようなカレに対して
しゃがみこみ、顔を覗き込んで
「どこが好き?」
と聞いてみる
すると彼は下げていた頭を上げ
真っ直ぐ私を見つめてこう言った
「……全部だよ」
そうか
全部か
そう言うからには
言葉通り私の全てを
彼は好いているのだろう
あるいは
言葉にするのが恥ずかしいのか
明確な理由を見つけられないのか
それではいけない
きちんと訳を聞かなくては
「……じゃあ、みっつ
みっつなら、言える?」
「好きなところを……?」
「——」
返答は微笑にて行い
彼はゴクリと息を飲み
決して夕暮れだけのせいでは無い
赤く染った顔に、固い決意が宿る
そして照れの見えない
力強い声音でこう言う
「すごく、不思議って言うか
底が見えないって言うか
話してて楽しいところ」
「2つ目は?」
「……顔、可愛いから」
「じゃあ、最後は?」
「最後は……」
ここまで順調に手順を踏みながら
最後の最後で彼は言い淀んでしまう
まるで自分の中の何かに
必死に耐えるように
それでも、この気持ちを
伝えたいと思うかのように
ギュッと
拳が握り込まれるのを見た
目線だけは外れない、ずっと
「言って」
私は背中を押してやる
何を迷う事があるんだと
そんな事をしている場合かと
今しかないのだ
思いを打ち明ける場は
今宵、この場でしか有り得ない
私の言葉を受けて
ハッと我に返るように
彼は目を大きく見開き
そして
ゆっくりと口が開かれる
未だ、躊躇うような様子で
それでも、もう
この想いを止められないと
やけっぱちになったかの様に
そして、ついに
「——キミのことが怖かったからだ」
彼は自分の想いを
私に伝えることが出来た
それに対して私は
「よく言えました」
賞賛の言葉を送った
「っ……」
彼の額に冷や汗が流れた
熱っぽく赤らんでいた頬も
すっかり、色褪せている
声は震えているし
まるで別人みたいだ
「そ、そのっ……
こ、答え……は……?」
私は微笑んで
後ろで手を組んで
僅かに首を傾ける
そして彼の目を
頭の奥の奥まで見透かすみたいに
ジッ……と見つめて、見つめ続けて
それから
「分かるよね」
1音1音、はっきりと
違える余地など無いくらいに
刻み付けるみたいに、そう言った
「——」
彼は口を半開きにして
まるで洪水を目の前にした
これから死にゆく者みたいな顔で
ただただ呆然と私を見ている
クルッと回れ右して
校内に戻るドアに手をかけ
その向こう側に消えるまで
ずっと
ずっと
彼の熱のない視線を
背中に浴び続ける
ドサッ!
ドアを閉めて階段を
降りている途中、そんな音が
屋上から聞こえて来るのだった
✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱
「カリヤちゃん告白
断っちゃったの!?」
私は学校近くのカフェで
いつものメンバーで集まり
いつものように話している
そう、いつものように
ということは、つまり
普段とは違うイベントが起きれば
それはそれは盛り上がる、という事
「え!?ウソウソ!?」
「カリピほんと!?」
ダン!と机に手を着いて
身を乗り出してくる友人達
今の衝撃で
カフェラテが少し
入れ物の口から零れた
「本当だよ」
「キャー!」
私の返答を聞いて彼女らは
奇っ怪な叫び声をあげて
盛り上がっている
「どうして断ったの!?」
うち1人が、更にもう一歩
踏み込んだ質問をしてくる
至近距離で覗いた
彼女のその目には
`興味津々`と書いてある
「さあて——」
「えっ……?」
身を乗り出してきた彼女の
右の頬にそっと手を触れた
柔らかい
そして体温を感じる
まず耳たぶに触れて
その辺からツーっと
指をゆっくりと這わせていく
彼女は自分が何をされているか
分からないという様子で
蛇に睨まれた蛙のように
怯えた顔をしている
私は彼女の目を捕まえて離さない
やがて
親指が唇に触れる
彼女の体がビクッと跳ねる
そして私は
囁くように言った
「——教えてあげようか」
「あ、え、えっと……」
何も言えなくなってしまった
彼女をよそに
それを見ていた友人が
顔を両手で覆い隠して
声にならない叫び声をあげた
しばらくそんな感じだったけど
逞しくも復帰してきた彼女が
「か、カリヤちゃん!
な、何……い、今の!?」
怒りで誤魔化すように
照れを忘れるように
大きな声を出した
「顔、真っ赤だよ」
頬杖をついて
いたずらっぽく笑いながら
私は彼女の顔の色を指摘する
「カリヤちゃんのせいだよ!」
当然の怒号
「う、うわ〜〜やば〜〜
そういう所だよねこの子……」
「あれはヤバいわ……
こういう所怖いよね……」
傍らで意気投合する2人
どうも何かしらの共通認識が
彼女たちの間には、あるらしい
「もしかして、カリヤちゃん
お、女の子が……すき……とか」
今のをまともに食らった彼女は
すっかり調子を乱されてしまい
モジモジとしながら
そんな事を聞いてきた
私はこれみよがしに
顎に手を当ててみせる
軽く斜め上を見て
うーんと考えるフリをして
たっぷりとタメを作ってから
「男の子の方が好きかな」
と、答えた
「え、そうなんだ……意外……」
意外
彼女はその2文字を
全身で表していた
態度に全て出ている
それほどまでに意外な
ことだったんだろう
などと考えていると
「じゃあさ、好きなタイプ!
好きなタイプって、いるの?」
「ていうか告ったことある!?」
「カリヤちゃん彼氏居たことある!?」
とても元気に
そして騒がしく
彼女達は盛り上がる
どうやら
材料を与えてしまったらしい
導火線に火を付けてしまったようだ
点火されたものは
もう消す事が出来ない
私は
「好きなタイプはね——」
1個1個にちゃんと
答えて行くのだった
✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱
友人達と別れる頃には
すっかり暗くなっていた
寒い
風が冷たい
季節の変化を感じる
長い事捕まってしまった
外に出していると手が寒いので
上着のポケットにしまっておく
夜故に多い人通り
まるで朝とは別の街
色んな営みがあって
知らない所が沢山ある
私はその全てに興味が無い
目的はただ、家に帰る事のみ
それから
どのくらい歩いた頃だろう
遠くの方で
気配がした
「面白そう」
それは争う音だった
人と人が醜く争う音
私は迷いなく路地裏に進む
暗くて、分かりにくくて
通りずらくて、薄汚れた
都会のゴミ箱みたいな場所
曲がり角の向こうだ
そこに誰かと誰かが居る
胸が踊るのを感じる
スリルが全身を包む
引き返せと本能が叫ぶ
ろくな事にならないぞと
お前が求めているものは
きっとありはしないんだと
早足になる
角に足をぶつける
痛い、でも気にしない
早く、早く、早く
これまで感じた事の無い
高揚感に頭が支配される
他のことを考えられない
そして
曲がり角の向こうで
私が目にしたのは
「——お前のせいで
オレのソフトクリームが
溶けちまったじゃねえか!」
高校の制服を着て
いかにも
そういかにも野性的で
そして溢れ出る暴力性を
隠そうともしていない男が
ボコボコの顔面と
ボロボロの服の男の
胸ぐらを掴んで揺らし
怒鳴っている姿だった
そして遅れて
地面に倒れている
血塗れの男達の存在に気が付く
どうやら全員この男に
やられてしまったらしい
見事に全員ノックアウトだ
というか、生きてるんだろうか
見た感じだと
間違いなく病院送りだ
「てめー!返せよ!
オレのソフトクリーム!」
また叫び声がした
なるほど、さっき感じた
気配はこの男の声だったか
怪我人に対する配慮など
微塵も感じられない乱暴さで
胸ぐらを掴んだそいつを
ブンブンと揺すっている
「……!……!!」
「アァ!?聞こえねえよ!
フガフガ喋りやがって!」
「それ多分、顎の骨折れてるよ」
つい我慢できなくなって
口を挟んでしまった
危ないかもしれない
なんて思ったのも束の間
「なにっ!?……おい、そうなのか」
私に驚くことなく
彼は血塗れの男に尋ねる
こくこくと
力なく頷く男
「んだよ、だったらてめー!もっと
早く言えよ!喉いてーじゃねえか!」
ガッシャーン!
乱雑に放り投げられ
派手な音を立てて
吹っ飛んでいく男
あれは更にもう何本か
骨が折れたかもしれない
「ったくよぉ……なんで
どいつもこいつも
気ぃ失ってんだ!」
彼は物凄い荒れようで
所構わず蹴ったり殴ったり
まるで子供の癇癪みたいだった
その時
何となく視界の端で
何かが動いた気配がしたので
そっちに目を向けてみると
「……」
倒れている男の1人と
完全に目が合ってしまった
その男は私の目を見て
必死に首を横に振っている
`黙っていてくれ!`
そう言いたいのだろう
気持ちは分かる
この凶暴な男に見付かったら
最悪の場合、命を失いかねない
なるほど
その気持ちは分かる
が
「そこに倒れてる人
意識あるみたいだよ」
「なっ!」
「マジか!どいつだ!
おい!てめーか!コラァ!
オレの全財産で買った
ソフトクリーム返せよ!」
この男は果たして
私の事を認識しているのだろうか?
何故か素直に言うことを
聞いてくれるので、つい
面白くなってきてしまい
私は彼で遊ぶことにした
「あ、その人じゃなくて
こっちに倒れてる人だよ」
すでに意識がない男を指さし
彼にそう話しかけてみると
「てめーかァ!てめーこらぁ!
どうしてくれんだ、クソっ!」
言った本人もびっくりの
恐ろしい反応速度を見せた
なるほど
やっぱり面白い
私はもう少し彼に
踏み込んでみることにした
「……きみ、ソフトクリームが食べたいの?」
「当たり前だ……って
そういや、お前誰だ?」
今更
やっぱり私の事を
認識していなかったか
目が合うこと数秒
警戒されているのが分かる
まるで動物みたいだなと思う
ひょっとしたら
と思い、私はとある
提案を彼にしてみる
「買ってあげようか
ソフトクリーム」
反応は著しかった
「……おぉ!本当か!?」
ドサッ!
振り回していた男を
その場に落として
彼は私の方に近付いてくる
背が高い、そして野性的だ
どう見ても不良
あるいはチンピラ
まともな人間では無い
だが
「じゃあ、ついておいで」
「よし、分かった!」
どうにも無邪気で
何故だか嫌いではなかった
「……あ、でも」
「ん?」
「オレ、かーちゃんから
知らない人に着いて行ったら
ダメだって言われてるんだった
特に
物で釣る様なやつには」
グルルルルと
牙をむき出しにして
警戒心を顕にしてくる
「私の名前はカリヤ
きみの名前は?何かな」
「……リュージ」
「そう、リュージくんね
ほら、これでもう私たちは
知らない人同士じゃないでしょ?」
「——」
私の言葉を聞いて
男……リュージはピタッと
その場で足を止めて固まった
沈黙が流れること数秒
何が起こるやらと
少々警戒したのだが
返ってきた反応は
「そうか、それもそうだな!」
という
まるで子供みたいな
無邪気な笑顔だった。
✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱
「うめ〜〜〜!」
さっきまで
返り血を浴びていたのと
同じ奴とは思えないほど
屈託のない笑みをリュージは
ソフトクリームを頬張っている
公園のベンチの上に
両足をあげて座りながら
膝を抱えて彼の様子を見る
「お前いいやつだな、カリヤ
オレお前のこと好きだ、付き合え」
「うん、突然だね」
あまりにも予想外すぎて
頭が働かなかった
「甘いもん奢ってくれる奴に
悪いヤツはいねーんだ」
自信満々にそう言う彼は
ソフトクリームの
コーンの部分を
バリバリと食べている
「私、彼氏いるよ?」
私は堂々と嘘をついた
ちょっとからかってやろう
などという戯れの気持ちだ
「しらねー、そいつぶっ殺して
オレのもんにすれば良いんだぜ」
「私の彼氏、すごく強いよ」
「いくら強くてもよぉ
バイクで轢きゃ勝てんだろ」
「戦車くらいじゃないと無理だよ」
「一億万回くらい突っ込めば
大抵の事はなんとかなんだろ!」
リュージには
理屈が通用しなかった
これまで会った事の無い人種だ
おもしろい
「ちなみに彼氏いるって嘘だよ」
「……嘘かよ!」
リアクションが素直だ
叩けば音が鳴るみたいな
馬鹿らしいくらいの素直さ
彼の頭の中が見てみたい
どんな風になっているやら
「カリヤは、オレのこと
馬鹿って言わないんだな」
「うん?」
「……みんなオレのこと
馬鹿だ馬鹿だって言うんだ
オレだって自分のことは
馬鹿だって思ってるから
仕方ねー事なんだけどよ
やっぱ、悔しいじゃねえか
でもカリヤは言わなかった
だから、お前のことはすきだ」
まっすぐな目だった
キラキラと輝いていて
宝石みたいな美しい目
「——」
しばらく
見惚れていたと思う
だって仕方ないだろう
そんな、理由で
そんなバカみたいな理由で
好きになられても……困る
「……馬鹿とは思わないよ
面白い人だな、とは思うけど」
「面白い?それって……あれか?
褒められ……てんのか?だよな?」
「褒めてるよ」
「そっかぁ!」
パァッと顔を輝かせて
胸の前で何度もガッツポーズ
そんなに喜ぶことだろうか?
私と彼はそのまま
しばらくそうして
ベンチの上に座り
黙って時を過ごしていた
いつまでそうしているのか、とか
何が目的なのか?とか、そんなの
どうでも良かった
離れたくなかったんだ
そのうち
リュージが口を開いた
「カリヤはオレのこと、すきか?」
「嫌いじゃないかな、今のところ」
正直に答えた
彼のように素直に
まっすぐに
「なら、付き合うのはいい
それはまだ、いい、だから
友達になってくれ
お前とまた話したい」
何がなんでもオレの彼女になれ
と、そう来ると身構えて居たので
リュージがまさか
理性的な判断を下すとは
思ってもいなかったので
これには驚いた
「付き合わなくて良いの?」
「よくねーけど……
なんか嫌そうだった」
心が、動いた
「リュージ」
「おう、なんだ——
おわっ!?」
隣に座っている
彼のスペースを
侵食するように
私は身を乗り出した
追い詰められた獲物のように
彼は後ろに下がっていく
けれど
そのうちに
逃げ道も失われ
後は奈落の底に落ちるのみ
後ろを振り返り、それを認識し
乗り出してきている私を
口をパクパクさせながら
何も出来ずに支えている
彼の耳元に
顔を近付ける
そしてこう言うのだ
「本当に、それで良いの?」
良いのか
その問いに対する答えは
先程、既に出されている
「オレは——」
くちびるに
人差し指を当てて
彼の言葉をせき止める
その指を
自分の唇に持っていく
彼の視線が釘付けになる
「——これからよろしくね」
「あ……あ……」
可愛い
私はただ
そう思うのだった。
✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱ ✱✱✱✱
「カリヤちゃん!おっはー!」
「おはよう」
登校途中の通学路
いつも待ち合わせしている
コンビニの駐車場で彼女と合流する
「カリヤちゃんカリヤちゃん!
私ね!昨日ね!あの後ね——」
交わす会話は実に
代わり映えのしないものだ
1週間前の今日と入れ替えても
気付けないくらいの、普段通り
やがて
「あ〜〜やっと来たあ
おっすおす〜カリピ〜」
「待ってたぞぉー!」
他の仲間も合流し
私たちはいつもの
4人組になった
ワイワイと騒いだり
時々誰かが怒ったり
逃げたりイタズラしたり
照れたり、半泣きになったり
喜怒哀楽様々な
実に賑やかな時間
もう間もなく学校に
着きそうだという頃
前方に、異変が起きた。
「か、カリヤちゃん……あ、あれ!」
「うん?」
彼女が震える手で
指さす方向を見ると
そこには
「〜〜♪」
頭の上に音符を飛ばし
フンフンと鼻歌を歌いながら
校門の前に座り込んでいる
野生児が1人
「うーわ、どう見てもヤンキー……」
「やっばいのいるよぉ〜〜……!」
「か、カリヤちゃん
ど、どうしよう!?」
慌てふためく三人衆
みんな怯えきっている
それは私達だけではなく
その前を通り過ぎる他の
生徒たちも同じだった
「え、ちょ、カリピ!?」
私はそんな
彼ら彼女らのの恐れなど
全く意に介さないという風に
ズンズンと進んでいく
後方で友人たちが
戻ってこーい!と
小さな声で呼んでいるけれど
そんなものは無視するんだ
なぜなら
「来たんだね」
「おお!カリヤ!」
カレは私の恋人なのだから
恐れる理由がどこにある?
それに彼は怖くない
可愛いヤツなのだ
ところで
「いつから待ってたの?」
「おお?朝の3時からだな」
「すごいね……」
ぶっ飛んでいる
まさかそんな早くから
ここに居たとは思わなかった
「言ってくれれば別に
一緒に登校したのに」
「……お前にはお前の
付き合いとかもあんだろ
邪魔には、なりたくねーよ」
耐えられなかった
「もう!可愛いなぁ!」
しゃがみこんでいる彼に
ガバッと真正面から抱きつき
思いっきり撫でてやった
「おわっ!?な、なんだよ
髪クシャクシャにすんなよ!」
やめろよ!という
彼の言葉を無視して
無理やりに撫で続ける
そんなこんなしていると
「——カリヤちゃん?」
「……おっと」
すっかり忘れていた友人達が
私と謎の不審人物が、どうやら
知り合いらしいと勘づいたのか
恐る恐る声を掛けてきた
「え?そ、その人……誰……?」
「あぁ?」
睨みを効かせるリュージ
`誰だてめぇ?`という顔だ
「ピッ!」
彼女から
聞いた事のない
おかしな悲鳴が飛び出た
どうやら、刺激が強すぎたらしい
友達の背に隠れプルプルと震えている
「リュージ、彼女達は私の友達だよ」
「そうか!おーー!お前たち
カリヤのことありがとうな!」
私の説明ひとつで
リュージはすっかり
警戒心を解いたらしく
ぴょんぴょん跳ねながら
彼女達の方に近付いていく
「よ、よっすぅ〜〜よろしく〜〜」
引きつった笑顔をしながらも
持ち前のコミュ力の高さで
対話を試みる我が友人
「カリヤ!こいつら良い奴だ!」
「仲良くしてあげてね」
「か、か、か、カリヤちゃん!
こ、この人って……も、もしかして」
「リュージはわたしの彼氏だよ」
「……うそおおおおー!!!?」
「嘘じゃねえ、ほんとだ」
胸をエッヘンと張り
リュージは自信満々に宣言する
笑顔で
本当に嬉しそうに
これは
私が、人生で最後の
彼氏を作った日のお話だ——
レディ・カリヤは狼くんに出会う ぽえーひろーん_(_っ・ω・)っヌーン @tamrni
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