【完結】「もう我慢できない?いいよ、出して……」で本当にしているパターン

悠/陽波ゆうい

可愛い娘と隣の家に住む、俺が認めた幼馴染くん

 朝宮健司。38歳。若くして一流企業へ入社。その後もキャリアを積み重ね、順調に昇進している。 


 将来有望と言われている俺には、愛する妻と……可愛い娘がいる。ママも大好きだが、娘がそれはもう、可愛い。


 ぱっちりとした瞼に、鼻筋はしゅっとしていて、かなり端正な顔つき。髪の毛は、ママと同じの茶髪。

 吊り目気味で、少し怖い印象を受けるが……実際は優しくて、ちょっとツンデレな可愛い女の子である。


 うちの娘……早希さきちゃんは可愛いから、モテる。モテれば、群がる男どもがいる。


 早希ちゃんに近づく男は、俺がこの目でしっかり確かめる。確かめた上で、早希ちゃんに相応しい男か判断する。


 そんな俺が、唯一認めた男といえば……


「おじさん、こんにちは。お邪魔してます」


 休日。会社が休みでつい、遅起きしてしまった。階段を降り、リビングを訪れると、早希ちゃんの隣には、男の子がいた。


「おお、蓮くん。ゆっくりしたまえ」

「ありがとうございます。あっ、これ、うちの父がおじさんに、と……」

「お酒か! ありがとうな」

「はい」


 彼は隣の家に住む、幼馴染の二宮蓮斗くん。困っている人は見過ごせず、誰にでも気さくで、好かれる性格をしている、好青年と言った感じの男だ。

 

「ほら、蓮。よそ見してないで早く問題解いてよ」

「はいはい、解きますよー。えと、この答えは……21?」

「ばかっ。違う。全く……この私が教えてるのに解けないなんて……よっぽど脳みそが余計なもので詰まっているのね」

「な、なんだと!? お前だってさっきから落ち着きがねぇじゃねーかよ!」

「わ、私は別に? 蓮の方がさっきから落ち着きないけど?」

「お前の方こそ!」

「アンタこそ!」


 ああ、いつもの言い合いが始まった。

 喧嘩するほど仲がいい、という言葉があるが、まさに2人にピッタリである。


「2人とも、仲良くね〜。俺は少し出てくるから」


 全く……俺からすればお似合いなのだから早く付き合えばいいのになぁ。






「……おじさん。出て行ったな」

「……うん」





 昼食の時間になり、家に戻ってきた。ママは今日は友達とランチと言っていたので家に不在である。


 1人で食べるのもなんだが寂しいし、早希ちゃんと蓮くんを誘って外食しようとリビングに来たが……2人の姿はなかった。


「靴はあったから家にはいるはず。もしや、部屋か」


 2階に上がり、早希ちゃん部屋の前に着き、ノックしようとした時だった。


「んっ、あぁん……蓮の手、すっごくいやらしい……」

「もう顔がやばいぞ、早希……」


 早希ちゃんと蓮くんの声が聞こえるのは同然として……


「んっ……ふぁ……」

「……っ。このっ、煽りやがって……」


 何やら、いかがわしい声が聞こえるのだが……???


 俺は音を立てないよう、そっと動き……部屋のドアに耳を当てた。


 これは盗聴ではない。中で何が起こっているか、ちょっとだけ確認するだけだ。


「やぁん……ソコ、だめぇ……」

「もっとしてほしいの……間違いだろ……?」

「だ、ダメだってばぁ……んんぅ……」


 ダメと言いながらも、早希ちゃんの声は次第に甘く蕩けていっている。


「んっ、あぁんっ……そ、それ……」

「どれ?」


 ………どれだ?


 俺は耳でしか情報を得られないからわからない。


「い、意地悪……。ソコ、もっと刺激して……気持ちいいから……」

「やっぱりダメじゃねぇじゃん……」


 やっぱりダメじゃなかったみたいだ。

 それにしても、早希ちゃんの声が妙にいやらしい……。


「あっ……いい……蓮……気持ちいい……んっ、ふぁっ……!

「っ、エロい声出しやがって……ッ」

「ふっ、んぅ……。………あっ」

 

 すると、急に声がなくなった。

 

 まさか俺がいることがバレたとか……?


「蓮〜? どうしてもう、私のお腹に当たっているのかなぁ?」

「……っ。だって早希が……」

「もう、しょうがないなぁ……♡」


 聞こえきたのは、早希ちゃんの声。

 困ったような。呆れたような……でもどこか、嬉しそうな声だ。


「はい、仰向けになってあげたよ」

「っ、ふぅ………ふぅ……」

「蓮、顔が怖いよ……。ふふ……♡ もう我慢できない? いいよ、出して……」

「っ……!」


 ギジッと、ベッドの軋む音がした。


「あぁんっ、すごいよっ……蓮……。奥まで……あっ、あぁんっ……!」

「っ……っ………!」


 ラストスパートでもかけたのだろうか、2人の息遣いが荒く、大きくなる。


「ふぅ、俺もここまでにしとくか……」


 ドアから耳を離す。

 聞けば聞くほど、のことが思い浮かんでしまう。


 中で行われているのは所詮、マッサージ。可愛い娘と俺が認めた幼馴染くんがいかがわしいことなどするはずがない。


 第一、2人は……


「喧嘩するほど仲のいい幼馴染止まりだしな」

 

 長年の付き合いから、無意識に距離が近く、関係が発展するのが難しいと言われる幼馴染。


「マッサージ、もうすぐ終わりそうだし、リビングで待っているかぁ」


 俺は静かに階段を降りた。


 すぐさまマッサージと察し、「何をやってるんだ!!」と部屋に突入しない俺は……いい父親だなぁー。






 ちゅっ、んちゅ、ちゅっ……。


 早希と蓮。2人っきり空間に響くのは、互いに乱れた息でする、の音……。


 ベッドの上で真っ裸のまま抱きしめ合い、キスをする。

 

「はぁ、はぁ……蓮、出し過ぎ……♡ゴム付けてなかったら確実に……」

「………」

「……? 蓮、どうしたの?」

「いや……なんかドア越しに誰かいた気がするんだけど……」

「そう? アタシは何も感じなかったけど……。もしかして賢者モードってやつ? 蓮ってば、ビビり〜」

「も、もしものことがあるだろうが……! おじさんんにでも見つかったら大変だろっ……!」

「大変? なんで?」

「いや、その……俺たちが付き合い始めたことも言ってないし……。そ、そもそも! こういう不純行為を許す人じゃなさそうだし……」

「まあ確かに。でもさ、私たち今高校3年生じゃん」

「? ああ、そうだけど……急にどうした?」

「高校卒業したら、ゴムも卒業って約束でしょ」

「ま、まあ……」

「なら一緒でいいじゃん」

「一緒?」

 

 戸惑う蓮斗に対し、早希は艶っぽい笑みを見せ、


「パパにはちゃんと、私から報告しとくから。妊娠報告と一緒に……ね♪」




              おわり






【あとがき】


勘違いシーンみたいなので、よくこういうシチュエーションがありますが………本当にしててもいいじゃないか(^ω^)

やはり幼馴染ハッピーエンドしか勝たん。

 

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【完結】「もう我慢できない?いいよ、出して……」で本当にしているパターン 悠/陽波ゆうい @yuberu123

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