最後から二番目の真実

なぜ彼は俺と違うのだろう

それはこれこれこういう理由があるからだ

そうか、だから彼は俺と違うんだ


思考は易きへと流れ行く

何か理由があった方がわかりやすい

だけど理由はない、という理由は受け入れられない

だってそれってわかりにくいもん


二つ三つのサンプルで全体を捉えた気になっている

誰々がこう言っていた、だからこれはこうなんだ

AがBだとしたらCはDである

たとえAでなくともAだと見なされてしまえばそれはAになる


死んでしまえばこの悩みから解き放たれるのだろうか

できれば生きている間に解き放たれたいものだけど


なんだかもう疲れてしまった

一体いつまで頑張ればいいのだろう

このまま続けていればいつかは変わるのだろうか

それにしても疲れてしまった


幾度となく繰り返してきた説明

一体いつまで繰り返せばいいのだろう

わかってもらおうなんて思わない方がいいのだろうか

一生懸命作ったこの詩を

ただ読み流すだけの自由があなたにはある


誰かの歴史や秘密を知ることで

誰かのことをわかった気になってしまう

でもそれは俺も同じだから

だからこれだって仕方がないことなのだろうか


どうすればいいのかわからない

どうすればどうなるのかわからない

それがそうであるからには何らかの理由があるはずだ

いや理由があろうがなかろうが俺は今ここにいる、

それじゃ駄目なのかい


僕らの世界は常に捻じ曲げられている

無知と誤解と偏見と、

そして悪意と暇潰しによって

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