片翼の獅子
あなたは自分が差別される側に立つ可能性を考えない
それが羨ましくもあり馬鹿馬鹿しくもある
いつかあなたも今のあなたのままではいられなくなるかもしれない
その太字や鉤括弧はあなたのことをも襲うかもしれない
その獅子には翼が生えていた
だけど片方だけだった
空飛ぶ獅子だと思ったのにがっかりした
「せっかく“そう”なのに“こう”じゃないなんてつまらない」
病気じゃないから大丈夫
障害じゃないから問題ない
そうやって正常・異常と線を引いて、
“自分は普通だ”と無意識に他者を差別する
今の世の中弱者が強い、と思うのなら
それならあなたが代わってくれたらいいのに
その獅子には翼が生えていた
だけど片方だけだった
空飛ぶ獅子だと思ったのにがっかりした
「せっかく“そう”なのに“こう”じゃないなんてつまらない」
様々な障害、様々な障壁
“乗り越えた”人には優しいのに
そうじゃない人には冷たい
例えば何かを悩んでる人がいて
“せっかく穏やかな日常だったのに”と困る人がいて
結局大変なのは誰なのだろう
良くも悪くも
それが“特殊”である限り
何も変わらない
そして、それが変わったとき
きっとなんでもなくなるだろう
その想像ができることが
とても嬉しい
その獅子には翼が生えていた
だけど片方だけだった
空飛ぶ獅子だと思ったのにがっかりした
「せっかく“そう”なのに“こう”じゃないなんてつまらない」
何か、どこか根幹に辿り着いていない気がする
何か重大なことを見落とし続けている気がする
いつか、それをきちんと理解したい
願わくは
穏やかな形で
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