すももの木の下で
真面目にしなくちゃ ちゃんとしなくちゃ
じゃなきゃ君に迷惑がかかる
俺の行動如何で君の評価が定まってしまう
完璧にならなきゃ 理想的にならなくちゃ
理性を大切に 誠実に生きていかなくちゃ
俺が標準にならないように
俺が平均にならないように
機嫌の悪いときもうまくやっていかなきゃ
とにもかくにも清く正しく美しく
けれど俺が見本にならないように
けれど俺が手本にならないように
そして八方美人と言われるかもしれない
やがて綺麗ぶっていると言われるかもしれない
それはいい 俺はそれでいいけれど
だけどとにもかくにも君に迷惑をかけたくない
君に迷惑をかけたくない
そうしていつしか俺は君に迷惑をかけている
俺が普通であるかのようにと迷惑をかけている
どうすればいいのかわからない
どうすればいいのかわからない
俺が基本なわけじゃない
俺が基準なわけじゃない
どうすればいいのかわからない
どうすればいいのかわからない
自分らしくなどいられない
それが“いいもの”である保証はどこにもない
もしもそれが“いいもの”でないのなら
それなら自分らしくなどしてはいけない
変なことを言わないように 妙なことをしないように
彼がそれをしても何も言われなくても
俺がそれをしたら「これだからお前らは」と言われてしまう
だから気を遣わなければ
いつ頃から李の木の下に俺はいるのだろう
最初からだろうか 途中からだろうか
いつかここから離れたところへと行きたい
そう誰にも何も曲解されない世界へと
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