blood red UNDEAD

@kiki96maku

第1夜 blood red UNDEAD

その少年は、化物だった。


ただ、何時から化物だったのか、記憶にはない。


少年の深層心理の中には、肉片と血の海と自分をつなぐ鎖だけがあった。


『どうして俺は此処にいるんだ』


ただただ、少年の頭の中にあったのは、自分が人間では無いという、孤独感と劣等感と絶望だった。


遠くから音が聞こえた気がした。


かん高い、ベルのような音

瞬間に背中に衝撃が走った。


眠っていたらしい、時間は0時を指していた。


『最悪の夢だな』

ただ、『これが俺の日常だ』朝飯を食いに行こう、人間を食いに行こう。


彼は化物であり、吸血鬼だった。


 この世界で吸血鬼なんか流行らない、バイトは出来ない。

朝外にはでれず、賃貸も借りられず。

引きこもりのような生活で、友人はいない、ただただ、人どうりのないところで、人を殺して食らうだけ。


『いっそ殺して欲しい』

人間でない彼は、どこまでも冷たい世界で生きていた。

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