第71話

「え…」


 舞佳は呆然としていた。


 面接官の三人は、出入り口のドアの方へと手を向けている。

 申し訳なさそうな…笑顔で。

「悪いんだけど、帰ってくれないかな?」とでも、言っているかのような…


「え、わ、私…」

「だから、申し訳ありませんが、貴女様はアイドルに向いておりませんのでお帰りください」


 話が通じていないようだ…。


「な、何が、何がどうなって…」

「だーかーらー、田谷舞佳さん。申し訳ありませんが、貴女様はアイドルに向いておりませんのでお帰りください」

「ちょ、ちょっと待ってください…!」

「舞佳さん、申し訳ありませんが、貴女様はアイドルに向いておりませんのでお帰りください」

「いや、あの…私…」

「申し訳ありませんが、貴女様はアイドルに向いておりませんのでお帰りください」


 同じことを繰り返して言う、面接官。


 舞佳は…泣き出しそうになった。


 まるで、自分のことを拒絶されたように思えたからだ…。






 ピコン…






『受信メール』


件名:【選考結果のご連絡】繝悶Ο繝�し繝�プロダクション




田谷舞佳様


申し訳ありませんが、貴女様はアイドルに向いておりませんのでお帰りください。

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