再会

坂上啓甫

再会

「あっ、先輩」


地元の商店街、人ごみの中での再会だった


専門学校で出会った先輩は自分より5つか6つ年上だが


随分ウマが合い、いつもつるんでいた


卒業してからは別々の道に進み


それでも時々は会っていたが


仕事が忙しく、自分は結婚もして


いつしか疎遠になっていた


「お久しぶりです、先輩、今も○○で働いてるんですか?」


久しぶりに会ったというのに


久しぶりにあったからか


そんなどうでもよいことを聞いてしまった


その質問に先輩は答えたか答えなかったのか


昔見たのと同じ懐かしい笑顔で


「元気?」


とだけ言った


再会はあっという間だった


もっとなにかあるだろうと


少し胸につかえるものがあったが


なにかあるのだったら、そんな風に思うんだったら


何故自分は今まで先輩に連絡をしなかったのかと考えたがわからなかった


自分のスマホにはもう先輩の電話番号もメールアドレスも入っていない




(注・・・この作品は重複投稿になります。「小説家になろう」様「note」様)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

再会 坂上啓甫 @semimaru_waraya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ