第134話 鉄砲隊コラボ2nd その一

「──我ら!」

「デンジラスの鉄砲隊!」

「「いざいざ、オフコラボ配信だー!!」」


:きちゃ

:きちゃ

:待ってました!

:鉄砲隊きちゃぁ

:今日ははにゃびかー

:楽しみ

:今日は何するの?

:コラボ助かる

:ばんわー


 わー。ってことで、始まりましたオフコラボ。お相手はもちろん雷火さん。本来ならオフコラボ強化月間の第一発目を飾る予定だったが、先輩たちが飛び入り参加したことで二番目となった次第です。

 まあ、順番で何かしらに影響が出るわけでもないので、だからどうしたって話であるのだが。雷火さんも気にしてないしね。


「いやー、またオフコラボですねボタンさん。てか、ボタンって本当にオフコラボ好きよね」

「なんかその言い方は出会い厨みたいで語弊が……。否定できないんだけどさ」

「配信内容的に、仕方ないっちゃ仕方ないんだけどねー。ボタンはかなりのゲームができないし、対面でアレコレやった方がいろいろできるし」

「そーそーそー。わりと苦肉の策だったりするのよ? メインコンテンツが料理、てかダンジョン関係だからさ」

「3Dモデルがあれば、もうちょいいろいろできそうだけどね。……まあ、私らにはまだ早いんだけど」

「まだ早い。なお、二人揃ってチャンネル登録者百万オーバー」

「黙れ諸悪の根源。私のことを『猪マスクの女』って、世界中に知らしめた件は未だに許してないかんな!!」


:草

:草

:ネットミームにもなってるもんな

:草

:謎の風評被害

:草

:あれ本当に草

:マジで山主さんが諸悪の根源なんよな

:たった一人でデンジラスを大手入りさせた男

:草

:大体全部山主さんのせい


 その件については本当に申し訳ないと思ってる。でも仕方ないじゃん。ちょうど良かったんだもん。わざわざ顔隠すための装備を買いに行くのもアレだったし。


「あ、念のため補足しておきますが。俺たちの3Dがまだ早いってのはアレです。単純に期間の問題であって、デンジラスの3D化の基準が馬鹿高いわけではないです」

「そーそー。全部この同期が悪いんですよ。イレギュラーしか起こさないんだから、全員振り回されて大変なの。私らもまだデビューからそこまで経ってないし、事務所は事務所でそこまで大きくなかったのにさぁ……」

「俺みたいなのを招き入れたばっかりに、全体的にてんやわんやしてるんですよねぇ。いやはや、実に申し訳ない」

「明らかに反省ゼロ」

「ソンナコトナイヨ」


 迷惑を掛けてるなとは思ってるよ。それに関しては本当も本当。ただ、それ以上のリターンも与えてると思うから……ね?

 いや、これだけ無茶苦茶やっておいて、リターンが渋かったら普通に首切り案件だからね。ちゃんと理解してますとも。

 それ以外にも、スタッフさんたちに定期的に差し入れしたりとか、円滑な人間関係を築くためにアレコレやってるから。収益以外の部分でも、しっかり迷惑以上のリターンを提供できている……はず。

 実際、キツイのは急激な変化に対応できてないいまだけで、ある程度の整理が付けば業務も上手く回るようになってるはず。


「さて、話を戻しまして。本日のオフコラボですよ。まずは雷火さん。俺の個人的な試みに対して、お付き合いいただきありがとうございます」

「いえいえ。私もボタンの同期ですから。こういう時は、真っ先に名乗りを上げさせていただきますとも」

「まあ、雷火さんとのオフコラボなんて今更だし、今回は別にしなくても良いかなって思ってたんだけど」

「オイコラ」


:草

:草

:確かにハナビとはよくやってるけども

:草

:今更と言えば今更か

:厄介ファンが湧く前からの仲だもんな

:草

:これが同期の絆か……

:草

:草ァ!

:急に梯子外すやん


 ちなみにこれガチね。……ガチって言うか、半々? 実際悩んだ。こういう時こそ、同期である雷火さんとコラボするべきだって思考と、雷火さんだと厄介ファンを刺激できないのではって思考がね。

 上手い具合にせめぎ合って、最終的に『やる』が勝った。やらないよりは、やった方が良いだろと。別に減るもんでもないし。


「ヨヨヨ。そう言ってボタンは私を仲間外れにするんだ。先輩たちには凄い美容品プレゼントしてたのに……」

「あ、いる? はい美白糖」

「そんな飴ちゃんみたいなノリで出さないで? それ、調べたら最低百万とかするやつでしょうが。先輩たちがチャットで絶叫してたのもう忘れたんか?」

「こんなの一日あれば業者かってレベルで仕入れられるし」


 これ落とすモンスターが生息してんの、中層の奥の方だよ? その時点で大したもんじゃないから。

 農家とかでよくあるでしょ。自分のところで取り扱ってる食材なら、高級品とか関係なくお裾分けするアレ。

 探索者も結局は一次産業だからね。ノリがどうしても似てくるのよ。自分で手に入れたもんを、どうするのかは自由だしね。もちろん、法律の範囲でって頭に付くけど。


「……まあ、ボタンがおかしいのは今更か」

「酷い言われよう」

「事実でしょ。流石に冗談だから、それしまって」

「え、いらない?」

「いらない」

「後悔しない?」

「しない」

「じゃあ、後であげるね」

「裏でこっそり頂戴って言ってるわけじゃないのよ?」


 知ってる。ただ先輩たちにあげたのに、雷火さんにあげないのは違う気がするからさ。これは個人的な据わりの悪さの話なので、雷火さんの意思はあんま関係ないんだ。いらないなら捨ててくれれば良いから。


「ボタンの朗らかな笑顔が怖いので、そろそろ企画の説明に入りますね」

「笑顔とは本来、敵を威嚇するためのもの」

「それつまり、私のこと敵認定してるって言ってる?」

「ソンナコトナイヨ」

「片言はもう良いから」


:草

:流れるようなコント

:草

:草

:これぞ同期の絆

:打てば響くこのやり取り好き

:草

:おあとがよろしいようで

:ナイスコンビや

:草

:うーん草

:また脱線すんぞ


 あはは。いやダメだね。つい余計な茶々を入れてしまう。そのうち『からの〜』とか言いそうで怖いわぁ。ちなみに、俺がこれ言われたら反射的に殴る。少なくとも殴る選択肢は浮かぶ。


「で! 本日の企画ですが!」

「はい」

「皆も気になってると思うの。だって内容の告知はしてなかったから!」

「なお、俺はしようと思いました。でも雷火さんに止められました」

「サプライズは大事だよ!」

「雷火さんはサプライズ好きねぇ」


 前もこんなこと言ってなかった? 言ってた気がするんだけど。


「でもね! 今日はサプライズする価値がある内容だと思うの! せっかくボタンがリクエストを受けてくれるって言ったんだから、これはもうやるっきゃないかなって! 普段のボタンなら絶対にやらないようなことをね!」

「……まあ、否定はしないよ。うん」

「──てことで、皆も聞いて驚け! 今日はなんと、私とボタンのお歌配信だぁぁぁ!!」


 はい、そんなわけで。本日は歌枠でございます。なお、場所は俺所有の音楽スタジオ。まさか本当にここを使う羽目になるとは……。





ーーー

あとがき


三話ぐらいで終わりたいなー。それはそれとして、皆さんは好きな歌みたやライバーさんのオリ曲とかありますか?

私はいっぱいありますが、歌みただと緋月〇いさんのやつとか好きです。

そんでオリ曲だと、天使代行〇ングドシャさんの曲とか好きです。

曲名とかは各自でお願いします。上記のお名前で調べたら出てくると思うので。


なお、皆さんはコメントとかで『〇〇が好きです』とか書かないで結構です。別に禁止もしませんがね?

これはたんに、私の好きなものを挙げて布教してるだけなので。これぞ『あとがき』を好きにできる作者の特権。



あ、あと皆さん。密林のセールで買ってくれましたか? まだの人はこの機会に買いましょう。もうセール終わってるけど。

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