第7話 永久に




 何十年。

 何百年、過ぎ去ったのだろうか。

 根気強く続けて山茶花のはなびらを掴めるようになった炎女と雪男が、あっさりと背を向けて立ち去って行ってから。

 これで成仏できるんじゃないかと思ってから。


 何も変わらなかった。

 目覚めて、寝て、ぼんやりとはなびらを掴みたいと思って、掴めなくて。

 繰り返す。


 ああ、本当にずっとこのままなのかもな。


 大地が終わるまでずっと。











(2022.1.16)


 

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