第155話
「焼きうどん、作るわよ!」
「おう!」
「はい!」
サタ様とアール君と一緒に小麦粉と水、塩をボールにいれて、うどんを打つ。うどんの生地ができたら、10分ほど休ませて、伸ばして切る。
大きな鍋に魔法で出した水を沸かし、切ったうどんを茹でて、水と氷でしめ。油をは引いたフライパンで野菜とお肉でいため、ダシ代わりのピコキノコと塩コショウ、ムラサキをかければ焼きうどんの出来上がり。
「サタ様、アール君、焼きうどん出来たよ!」
「いいにおいだな」
「エルバ様、ありがとうございます」
嫌々ポーションの素材集めについてきた2人は、焼きうどんをベロっと一人前食べて上機嫌。だけど、まだ足りないらしく、フライパンに残っていた焼きうどんを仲良く食べている。
(……焼きうどんを多めに作って正解だね。でも、この焼きうどん、野菜とピコキノコの旨み、ムラサキで最高の味付けだった!)
サタ様とアール君も気に入ったらしく。
「エルバ美味い! また焼きうどんを作ってくれ」
「はい。ボクも、また食べたいです」
「いいよ! また作るね」
野菜とピコキノコの焼きうどんに満足して、使った調理器具、お皿を片付け箱にしまい。明日に備えて、早めに就寝した。
のだが。翌朝「焼きうどんが食べたい」の言葉で目覚める。よほど気に入ったのらしく、朝食も焼きうどとなった。……それも野菜、ピコキノコ、お肉、うどんの大盛りで。
早朝から、うどんを打ち。野菜をエルバの畑から収穫して。ピコキノコ、お肉を炒めてドーンとフライパンのまま、2人の前に置いた。
「うまい!」
「美味しいです」
これは当分続くかもと思ったけど、2人の笑顔が見れたから、まっいいっか。
「いただきます! サタ様、アール君食べすぎ!」
「うまいものは早い者勝ちだ!」
「そうです!」
うわぁ〜2人とも、食いしん坊に拍車をかけたなぁ。でも負けないと、私も箸を伸ばして焼きうどんを頬張った。
「焼きうどん、おいしい!」
お腹もふくれ、朝食の片付けが済んだら。
みんなで、ククミンの採取だ!
「カレー! カレーが食べれる! 早く野菜たっぷりいれたカレーが食べたい!」
あとはカレードリア、カレーパン、カレーうどん!
「……おう」
「……そうですね」
あれ? さっきまでの元気はどこいったぁ?
2人はククミンが見つかると、苦手なポーションを飲まされると思っているのか。
「大丈夫、ポーションは作るけど。でも、安心してよ! 一緒に作る、カレーは絶対に美味しいから〜!」
ククミンを探しに。木々、草花がみえるカルルの原っぱへと、走って足を踏み入れようとした私の前に。足を踏み入れるのを拒むような、透明な壁があった。――え? その壁に阻まれ、はじかれ、私の体は飛ばされて尻餅をついた。
「いっ、イテテ――ッ、な、なに?」
「どうした、エルバ?」
「エルバ様、大丈夫ですか?」
後ろから、慌てて駆け寄ってきたサタ様とアール君に。
「壁、壁が――ここに、透明な壁があるの!」
と、指をさして伝えた。
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