第142話

「いい匂い、それなに?」

「これはコロ鳥ともち鳥の照り焼きチキン、今からパンに挟んでサンドイッチにするから、一緒に食べませんか?」


 一応誘って見た。

 すると嬉しそうに、リリスと呼ばれた女性の瞳が開き。

 

「え! いいの? 食べるぅ」

「わかりました、すぐ作るので待っていてください」


「はーい、待ってる」


 ウキウキとサタ様達がいる場所に戻っていった。

 この照り焼きチキンの匂いはお腹空くよねぇ、テーブルと卓上コンロも取り出してパンを焼き、キャベンツを千切りにした。


 コンロで焼き上がったパンにバターを塗り、照り焼きチキン一枚とキャベンツ、マヨソースをかけて挟むと。結構なボリュームのサンドイッチが出来上がった。


(パンとキャベンツに染み込む照り焼きソース……このサンドイッチ自分で作ったのだけど、絶対においしい!)


 出来上がったサンドイッチを食べやすく切って、人数分のお皿に持って、レタススとトマトマもそえた。


「みんな、照り焼きチキンのサンドイッチ! 出来上がったよ」


 これにあわせるシュワシュワは?

 エルバの畑で収穫したブドウーウにシュワシュワを注いだ、ブドウーウのシュワシュワ!


「美味そう!」

「いただきます!」

「やるじゃん! めっちゃおいしそう」


「アハハ、さあ食べて!」


「「いただきます!」」


 サンドイッチを一口手に取り、かじった後のみんなのいい表情と食べるスピード! ――すごく早い。会話も忘れてがっつく、今にも作ったサンドイッチがなくなりそうだ。


「サクサクに焼いたパン、柔らかい照り焼きチキンと甘辛いソース、キャベンツの組み合わせ最高だ! 美味くて手がたまらん」


「コロ鳥、もち鳥の両方が味わえるのは幸せです」


「なにこれ? 初めての味だよ……この世にこんなに美味い食べ物があるなんて知らなかったぁ~美味しすぎて、止まらない!」


 私はみんなの反応で嬉しくなって、次に皮をパリパリに焼いた鶏肉のソテーを作ることにした。もちろん自分の分の照り焼きチキンサンドをかじりながらね。


 どれどれ、サンドイッチにしては大きい一切れを取り、かじる。


「んん! コロ鳥、もち鳥どちらの照り焼きチキンもおいしい! パンに挟んで正解! ブドウーウのシュワシュワもブドウーウの香りがいい」


「これは――ジョロ芋のガレットを抜いた? いや、どっちも美味いな」


「ボクはどっちも好きです!」

「ちょっと! ジョロ芋のガレット? なにその料理?」


 2人につめ寄ろうとするリリス。


「待って、リリスさん! 明日の朝食、ガレットを作るよ! 焼き上がったソテーもどうぞ」

 

 ソテー乗った皿と、買ったパン、シュワシュワ入りのピッチャーを置いた。

 

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