アール君の部屋

 エルブ原っぱで毒草と麻痺草を食べたことが、パパとママにバレてしまい。一週間、エルブ原っぱに行くのを禁止された。


 次の日――私とママ、アール君は私の部屋にいる。

 それはアール君の寝床を魔法でいまから作るんだ。


「エルバの部屋が、すこし狭くなるけどいい?」

「いいよ、私には少し広かったから」


「それじゃ、始めるわね」


 ママは魔法で私の部屋の家具を動かして、開いたスペースにアール君の場所を作り、彼用の小さなベッドを置いた。


 ――アール君の食事は私達と同じでいいし。

 ――トイレ、お風呂も同じでいいみたい。

 

「エルバ、アール君、できたわよ」


 部屋の中にできたアール君の部屋。

 

「うわぁ――! 可愛いベッドとソファーだ。アール君、本棚とあいている棚は好きなように使って」


「エルバ様、ありがとうございます」

「遠慮しちゃだめよ、アール君は家族だもの」

 

 そう伝えると、アール君は嬉しそうに頭をさげて。


「エルバ様、ママ様、よろしくお願いします」

「うん、アール君、よろしくね!」

「よろしく。アール君には、いくら言っても"言う事を聞かない"お転婆なエルバを、しっかり見張っていてもらわないとね」


 私を微笑んでみつめる、ママの瞳が怖い。


「任せてください、ママ様。このアール、しっかりエルバ様を見張ります」


 アール君は嬉しそうに、二本の尻尾を揺らした。

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