電車で痴漢から少女を救ったのだがその少女が大人気アイドルのリーダーであってしかも何故か活動休止して俺の家に来たんだが

アキノリ@pokkey11.1

1、痴漢されていた少女を救ったのだが

ありがとう

第1話 自宅に活動休止した日本一有名なアイドルのリーダーが来たんだが.....?(改訂)

『超大人気アイドルグループの(星の鏡)が突然活動休止しましたね』


『そうですね。日本でデビュー当時から今までで500万枚のセールスを誇っていますが4月のこんな途中で活動休止?一体何故でしょうか?本当にいきなりの話になりますが.....謎が多いんですよね』


『えー、日本日刊エクスプレスのスクープ記者に聞きましたところ.....』


そんな感じの話が耳につくテレビを眺める俺、山口翼(やまぐちつばさ)は大欠伸をしながらワイドショーを半分見飽きた感じで観る。

話にあるこの星の鏡というアイドルグループだが.....日本でとても有名なアイドルグループである。

五人編成のグループであるのだが.....メンバーが全員個性的でインパクトがある。

だが.....まあ。


「まあ今の俺にとっては心底どうでもいい話だな。俺にとっちゃ関係ないしな.....」


俺は考えながらそのまま(謎の活動休止!)と書かれているテロップで必死に解説するニュースキャスターを溜息混じりに見て思いながらテレビを切る。

それから大欠伸をしながら背後を見ると。

悲しい、と鼻水をズビズビ吸い込みながらティッシュで涙を拭っている妹が。

星の鏡のファンである妹の花梨(かりん)である。

オイオイ.....。


「いやいや。花梨。こういう事もあるって。仮にも活動休止だろ。.....永遠の別れじゃ無いんだから」


「それでも活動休止だからぁ.....大ファンだったのに悲しいよぉ.....かなじい.....」


「でも良いじゃないか。五人それぞれで羽ばたくんだぞきっとな。また活躍の場が大きく広がるんだと思うが?」


「マホマホちゃん.....そうかなぁ.....」


リーダーの名前は真帆という。

進藤真帆(しんどうまほ)という本名で活躍している途轍もない美少女。

略してファンの間からはマホマホと愛称がある。

星の鏡のリーダーになる。


1000年に一度と言われる奇跡かもしれない美少女であった。

黒髪の長髪に何でも似合う感じのアイドル。

可愛いとは思うけど.....でもまあ。

先程も述べたが関わり合いが全く無い。


「さて。俺は勉強してくるからな」


「うぅうぅう.....」


「いつまで泣いてんだよ。勉強してくるぞマジに」


そして俺は伸びをしながらそのまま階段を上がろうとした。

その時にインターフォンが鳴る。

何だ一体、と思いながら、宅急便か?、と思ったが。


出るのを妹に任せて二階に上がろうとする。

面倒くさかったのもあったが。

すると、ギェぇ!!!!?、と変な妹の悲鳴が聞こえた。

何だぁ!?


「おう!?どうした!!!!?もしかして泥棒か!?」


「.....マホ.....」


「は?.....は?」


思わず玄関を二度見してしまった。

目の前に活動休止した存在が立っていたので、だ。

マホマホである。


つまり.....進藤真帆。

1000年に一度の美少女。

へ?え!?、と思いながら進藤真帆を見る。


「えっと。.....ここは山口翼くんのご自宅で間違いないでしょうか」


「.....あ.....え?」


「その.....お礼とか.....兼ねて」


「.....は?え?!」


ゴメンなさい。

話がぶっ飛び過ぎて分からないんだが。

尻餅をついている妹を立たせてから、何故この子は.....この家.....に?、と考えた。

それから俺はハッとする。


1つだけ思い当たる節があったのだ。

まさか、と思う。

隣町に行った際に俺は痴漢を捕まえたが。


その時の被害に遭っていた少女が!!!!?

俺は愕然としながら真帆を見る。

真帆は赤くなりながら笑みを浮かべていた。


「あ、有難う御座いました。その節は.....助かりました」


「.....!.....!?」


俺は唖然としながらその姿を見ていた。

この事が正しければ2週間前。

俺はアニメのグッズを買う為に隣町に向かったのだが.....そこで俺は既に進藤真帆と出会っていた。



「ったくクソッタレが!人が多いな!」


ちょうど日曜日の休日だからだろうか。

人が多過ぎて頭が痛くなるその日の事だった。

俺はぎゅうぎゅう詰めのパンクしそうな電車で人混みを避けて歩いていたのだが。

その時に震えている少女を見た。

そしてハッとする。


その時に偶然見つけたのだ。

可愛い服装のサングラスの女の子。

スカートの上から尻を触られている。


その事に俺は見てみぬふりをしようとした。

通報とか捕まえるとかの根性が無かったから、であるが。

だが怖いのか女の子は何も言わずに震えている姿に段々と怒りが寧ろ湧いた。

そして俺は絶叫する。

思いっきり、だ。


「オイ!!!!!」


と、だ。

周りはそれが引き金になったのかようやっとその事に気が付いた様に、痴漢だ!!!!!、とか男性達が叫び始めた。

女性も、痴漢よ!、とも。


そしてその痴漢していた親父は逃げようとしたのだが。

当然列車は走っているのと人が多いのとで。

最も簡単に捕まえれた。

親父は悪態を吐いた。


「クソ!」


とである。

俺はその親父を押さえつけながら怒る。

良い加減にしろ!、と言いながら。

そして睨む。


「女性に痴漢とか情けない事すんな!」


俺はそう言葉を発しながら。

次の駅で降りる目的は無かったがそのまま次の駅で降りてから捕まえていた痴漢を駅員さんに引き渡した。

それから何だかむず痒くなって去ろうとした時。

駅員の呼び止める声もしたが。


更に女子の声がした。

俺を、あの!、と呼び止める声。

その言葉に申し訳ないな、と思いながらもそのまま去った。

恥ずかしかったのだ。

それに何かこんなのでヒーローになるのもな、と思ったのだ。

この事が起こったのが2週間前の事だが.....。



「それから私ずっと探してました。私は貴方の事を」


「いや。たかがそれぐらいで.....っていうかよく俺と分かったな!?」


「はい。その場から去る時に定期券を落とされませんでしたか?」


「.....ああ.....え!?その時に失くしたのか!」


確かに失くして探していた。

っていうかそれが.....この娘が拾っていたのか!?

それから分かったのだろうか?


俺は思いながら真帆を見る。

真帆は、でもそんな捜索もやはり2週間掛かりましたね。でも見つけた。貴方ですね、と柔和に笑顔を浮かべる。

すると花梨から睨まれた。


「お兄ちゃん。そんな事があったなら何故話さないのよ」


「.....いや。だってこんな.....馬鹿な事が.....」


真帆に擦り寄っている我が妹。

抱き枕の様にスリスリしている。

俺はその姿を苦笑いで目の前の美少女を見る。

赤くなって俺を見ていた。


「.....本当に嬉しかったんです。.....私は.....この事件は周りの人にずっと見て見ぬふりをされるかって思っていたから.....」


「.....嬉しかったから.....その。ずっと探していたのか.....」


「はい」


「その中で活動休止とか大変だなお前」


「あ。それ観たんですか?.....でもその活動休止にも訳があります。私、貴方が好きだから.....もう良いかなって思ったんです」


あまりの事にビックリし過ぎて顎が落ちそうなんだけど。

俺は愕然としながら真っ赤になりはじめる。

花梨も目を丸くしていた。

私は貴方が好きです。.....だからアイドルを引退する覚悟なんです、と言い始める。

いや真面目にちょっと待て!?


「いや.....え!?ちょっと!?」


俺は大慌てになる。

痴漢から救っただけで俺を好いてどうするの!?

俺は真っ赤になりながら真帆を見る。


こんな事で女子に好かれるとは思ってなかったんだが!

有名アイドルのリーダーだぞ!?

嘘だろお前!?

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