第125話 ヒカリダケ採取・1
この森近辺での薬草採取は慣れた物でサクサクと目当ての薬草を採取していく。ただ、冒険者になりたての頃に受けていたような簡単に採取出来る薬草の依頼は極力受けないようにはしている。
私が受けてしまうと、1年前の私のような冒険者になりたての子が受ける依頼が減ってしまうからだ。なので、新人の冒険者が受けられないような、少しだけ難易度の高い薬草採取をメインに依頼を受けるようにしている。
この辺りで言えば少しだけ森の奥の方に行かなければ採取出来ないような薬草だったりキノコ類だったりする。今日の採取依頼もそれだ。
光るキノコのヒカリダケ
森の奥の方は木々が入口付近より生い茂っているので薄暗い森の中ではヒカリダケは比較的見つけやすい。けれど森の奥に行けば行く程、魔獣のランクも上がるので初心者には向かない採取依頼なのだ。因みにヒカリダケは腰痛の薬に使われるそう。
そんな訳で今日は何時もよりも森の奥へと歩いて進む。森の外は快晴なのに、森の中は少しだけ薄暗いのが余計に何かが出そうな雰囲気を醸し出している。ヒカリダケは木の根本に生えているらしいので左右の木々の根元をゆっくりと確認しながら歩いていくが、中々それらしき物は見つからない。
『この森は比較的瘴気が少ないようだな』
「瘴気?」
『そうだ。瘴気が多いと魔獣が発生しやすくなるし、レベルの高い魔獣が出現しやすくなる。その点この森はそこまで瘴気が多くないようだから、スタンピートみたいな物が起きる心配も今のところはないだろう』
「へぇ~……黎明にはその瘴気が視えるの?」
『魔力がそれなりに強い者なら視えるだろうから、リンも視える筈だし、あのシリウスとか言うギルドマスターもエルフだし、視えるだろうな』
そうなのか。ん~……でもそんな物視えないんですけど?
『ここは瘴気が少ない上に、リンは視ると言うことに余り慣れて居ないのだろう。強いて言えば瘴気の強いところは他のところより暗く感じて視える筈だ。瘴気の強そうな場所に出たら教えてやるから比べて視ると良い。今後の為の勉強にもなるしな』
「うん、わかった」
.....他のところより暗く感じる、ねぇ.....陽の当たる場所と当たらない場所みたいな感じかなぁ?
確かに1度経験してみないとわからない感覚かもしれない。瘴気の強い、弱い場所が眼で視てわかるなら今後の討伐に依頼や護衛依頼とかでも役に立つ可能性はあるわよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます