第118話 お引っ越し?・2
引っ越しと言っても11歳の子供に家を簡単に貸してくれる大家さんはいるのだろうか?
.....商業ギルドに行けばその辺の事も教えて貰えるのかな?
「.....リンはどんな処に住みたいとか希望はあるのか?ある程度希望があるならそれに合う物件を商業ギルドに頼んで探して貰う事は出来るな.....子供が家を借りたい場合、保証人が必要になるがそれは俺がなってやるから安心して良い」
保証人やっぱり必要なのか!?しかもギルドマスターがなってくれるってマジか!!
「.....良いんですか?」
「ああ。お前みたいな身寄りのないまだ未成年の冒険者が家を借りる場合はギルドの責任者が保証人になる事に決まってるんだ。だからお前が気にする事はないよ」
福利厚生バッチシですか!?
「それでリンちゃんはどんな家が良いのかしら?やっぱり冒険者ギルドには近い方が良いわよね?後は....やっぱり治安の良いとこよね?」
「え、ミルトンにも治安の良くないとことかあるんですか?」
「それはそうよ。他のご領主様が治めてる街に比べればこの街ははるかに治安が良いけど、街は大きければ大きい程治安の良くない場所はあるものよ?」
.....この街は辺境伯領で隣国との境界でもあるから戦闘に長けた辺境伯家の騎士団やランクの高い冒険者が必然的に集まってくるから、
「だから家を探すならその周辺は避けた方が良いわね。後は家賃をどれだけ出せるかだけど.....資金に余裕があるならいっそのこと一軒家で探すのも有りかも知れないわね」
「.....一軒家、ですか?」
「ええそうよ。リンちゃんがいつまでこの街に居てくれるかはわからないけど、もしこの街に定住しても良いって思ってくれてるなら、1年間毎月お家賃を払って部屋を借りるより家を買った方がこの街では安いのよ」
.....え?1年間の家賃より一軒家の方が安い?
「.....それは.....え?なんでそんな事に??」
「ヘンリー.....いや、レグルス辺境伯の政策の一環でな、この地に定住してくれればそれだけこの地の税収が安定するだろう?それもあって格安でこの街に住めるようになってるんだ。家賃を払って住んでる奴は基本的には短期の者で定住者ではないんだよ」
「へぇ~……それは凄いですね」
それは中々魅力的な政策ではないだろうか。まぁ私も特にどこの街に住みたいとか希望がある訳じゃない。この街の人達は今のところ比較的良い人が多いから問題はない。
.....まぁ、問題のある冒険者は多々居るけど所詮冒険者だ。街から街へ、国から国へ跨いで活動する冒険者なのだからその辺りの事まで考える必要はないだろう。
これからの冒険者この街を拠点にして、冒険者をすれば良いのだし.....。それに、辺境伯領に居れば、変に王都の貴族様に今後も関わる必要性は低くなる。面倒事からは極力自分から避けていかないとね。
「.....そうですね。この街なら定住するのも良いかもしれないですし.....一軒家で良さそうな物件があれば教えて欲しいです。あ、でも出来れば余り高くない家でお願いします!払えないと困るので!!」
出来れば今までに依頼で稼いで貯めてるお金で払えれば良いけど.....最悪、女神メダ様から貰ったお金を使わせて貰おう。
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