第99話 ハッピーアンバースデー

何だか最近ハードスケジュールになりつつあった行動を見直して、今日はのんびりと薬草採取だけにする事にした。


私のルーティングワークになった薬草採取の為に草原に出て来たら久し振りにマークとエリスに会った。


「リンちゃん、久し振りだね」

「リン、久し振りだね」

「エリス、マーク久し振り!今日は薬草採取?」


久し振りに会った2人は相変わらず仲が良く、見ている此方がほのぼのしてしまう。


「そうよ。昨日は討伐依頼を頑張ったの!」


エリスが嬉しそうに話しかけてくる。エリスが討伐依頼!?


「え!?大丈夫だったの?怪我しなかった?」

「大丈夫よ~。討伐依頼って言っても角ウサギだもの」

「あら、角ウサギだからって気を抜いたら駄目でしょ?魔獣には違いないんだから!」

「そうだよエリス....どんな相手でも気を抜くと怪我をしちゃうよ?」


私とマークが2人してエリスを嗜める。弱い魔獣だったとしても、魔獣には違いないのだから何があるかはわからないのだから、油断してはいけないのだ。


「勿論わかってるわよ!もう!せっかく頑張ったのに酷いわ2人して」


エリスのほっぺがぷくっと膨れて可愛いな!


「あら、勿論2人で退治して依頼を達成したのは凄いと思ってるわよ。頑張ったんでしょ?凄いね、エリス!」

「.....本当にそう思う?」


チラッと上目遣いで私を見てくるエリス可愛すぎかな!?


「勿論よ!」

「ん~……じゃ、良いや!ありがとう!リンちゃん」

「ふふふ」


そんな私達をマークは微笑ましそうに見ている。


「そう言えば2人はこの間の華姫祭には行ったの?」

「「もちろん」」


2人仲良く元気に返事をしてくる。本当に相変わらず仲が良いなぁ......


「華姫綺麗だったよね!私も大人になったら選ばれてみたいの!」

「どうして?」

「だって、綺麗なドレスを着れるでしょ!?」


公開告白されてみたいのかと思ったが、どうやら興味があるのはドレスのなのか~。ああ、でもエリスぐらいの女の子って可愛いドレスとかお姫様とかに憧れたりする年代だもんねぇ....私も日本で生きてた時は姪っ子にプリンセスのドレスをプレゼントしたわ....写真撮りまくったけわ!


「.....ドレスなら華姫にならなくても着る機会あるかもしれないじゃない?」

「....違うよリン、華姫ならドレスをタダで貰えるだろ?平民だとドレスを買っても着ていく場所がないし、タダで貰えて着る機会があれば一石二鳥だからね」


マークがそう言えば同意するように、うんうんとエリスも頷く。


「え~………」


見かけによらず抜け目がないなあ……。


友人達の意外な一面を見た日だった。








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