第88話 雪ノ下草・1
翌日からはまた地道に冒険者活動に勤しんだ。2日活動しては1日休むをモットーに
その合間に甘味をせっせと開発するのを忘れない。甘味に嵌まった
基本的にはどうしても生クリーム系が無い為に、小豆の使う和菓子系になってしまうのは仕方ないだろう。バターや生クリーム系があれば洋菓子も作れるのになぁと思いつつ、流石にそこから作るのも少しばかり度が過ぎてる気もしなくもなくて、だから余計に進まなかったりするんだけど。
それにどうせ作っても一般に流通させるつもりはなく、個人で楽しむ為だけのものなんだし急ぐ必要もないどろうと考えると余計に進展しないんだよね。
と言うかこの世界、日本の料理や食材に近いものがあるんだから絶対私と同じように日本から来た 転生者が過去居たと思うんだよね。もしかしたら今現在もこの国に居なくとも他の国に居るかも知れないし。この醤油もどきにとか味噌もどきとか....。
もし日本から来た転生者が居たらいつか会ってみたいなぁと思う。
そして今日は朝から採取依頼を受けた。討伐依頼で思ったような物があまり無かったからだ。
その代わりに変わった薬草採取の依頼があったのだ。
薬草の名前は"雪ノ下草"。
主に妊娠薬として処方される薬で、子供が欲しいのに中々出来ない夫婦にのみ処方される薬なのだとか。所謂子作りをする前に男女共に飲んでから致すと必ず子宝に恵まれるらしい。特に身体に対しての副反応などは一切無いので人気の薬なのだが、この薬草自体が名前の通り雪の下にしか生えていない薬草だとかで、中々市場に流れないそうだ。勿論その分お値段も高いので主に使用するのは貴族で後継者が中々出来ない家なのだそうだ。
確かに貴族で結婚したのに中々跡継ぎが産まれなかったら奥さんはプレッシャー凄そうだわ....。
第2夫人とか愛人とか作られたら嫌だろうし、それなら薬に頼りたくなるよね。
旦那さんにしても奥さん一筋の人だったら親族達に跡継ぎ云々言われるのも嫌だろうし。
『雪ノ下草なら我の山にあるな』
依頼書を吟味している際に
.....そう思っていた時が私にも有りましたね!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます