第59話 シーダーの街・1

あれから昼食時に蒼天の牙の他のメンバーやロベルトさん達に結界魔法の事を伝えたらやっぱり驚かれた。ロベルトさん曰く、やはり結界魔法を使える冒険者は少ないのだそうだ。それだけで色んな冒険者パーティから引抜きの勧誘があるだろうとの事。うん、これからは依頼の内容によって使い分ける事にして、基本は黙っていようと思った。だって煩わしいし......。


そして今回の道中の食事は私も携帯食をメインにしてみた。ギルドマスターとメントスに行った時は相手がギルドマスターしか居ないって事もあったけど、今回は沢山の人が居る中での食事になるから食事関係で目立つ事は控えたのだ!だって、調理器具一式何て持ち運んでたらマジックバックじゃないって疑われそうじゃない?


でもきちんとした野営時にはハーマル商会が持参してる調理器具でスープは作るらしい。流石に朝昼晩と3食続けて干し肉系は商会さん達も嫌なのだそうだ。まぁ確かに飽きるよね.....。


昼食を食べた後は移動を再開させ、周囲をくまなく警戒しながら進み、メントスからシーダーまでの中間地点である野営場所へと到着した。


野営場所では、ハーマル商会のように別の商会の人達も既に野営の準備を始めているようで護衛の冒険者もちらほら見かける。


ロベルトさんは知り合いが居たのか、先に到着していた商会の方へと向かって行った。


「多分あの馬車のマークはトラスト商会ね。ロベルトさん達のハーマル商会とも前からお付き合いがあるみたいだからきっと挨拶を兼ねて情報収集に行ったのね」


アイラさんが野営の準備をしながらそう教えてくれた。


「情報収集ですか?」

「そうよ。恐らく彼らは私達とは逆で、シーダーの街からミルトンかメントスへ行くつもりなんだと思うわ。だからこの先のシーダーまでの道のりで何か問題が無かったかを確かめたいんだと思う」


そうか....確かに今日通過してきた人からの話なら最新の情報って事だもんね。


「まぁ商会の隊列を見る限り、特に問題はなさそうだからさっさと野営の準備を終わらせてしまいましょう」

「はい」


アイラさんの予想通り、帰って来たロベルトさんから晩御飯に皆で作ったスープとパンを食べながら、トラスト商会から聞いたシーダーの街までの現状を聞きこのまま向かっても問題がない事を話ながら、私達も今日と同じ布陣でそのままシーダーまで向かうと決めた。


翌日も快晴で歩いていると少し暑いくらいだった。魔獣は出たが小さく弱いものが数匹だけだったので私達の歩みを大幅に止めるような問題なく、私達は予定通り夕方までにはシーダーの街に到着したのだった。



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