第51話 ふわふわの布団を作ろう・2
部屋に戻ってきた私は買ってきた布を床に広げて丁度良い長さに切って整えていき針と糸で縫い始める。そう言えばこの世界にミシンとかあるのかな?布団サイズでそこまで手が掛からないから手縫いでも時間を掛ければ出来る範囲なんだけど、服とかだとそうはいかないよね?特に貴族の服とかだとドレス?だよね??
「あ~でもお針子さんって仕事があるぐらいだからやっぱり手縫いなのかも?」
それは大変だなぁ.....こう、魔法でチョイチョイとミシンみたいに縫えれば楽なのにね。
流石に私でも1日2日で縫うのは無理なので、午前中は採取や討伐の依頼のを受けて午後から布団作りと充実した日を過ごしていた。
ギルドマスターから魔獣の討伐の経験値が足りないって指摘されたから積極的に魔獣討伐の依頼を受けるようにもした。まぁ大抵が比較的弱い魔獣だけど、何を倒すかより、倒す経験が重要なんだってギルドマスターは言ってた。
確かに同じ魔獣でも個々の動きが違うからどうやって倒すか、その場で瞬時に考えなければならないので良い訓練にはなっている。
たまにマークとエリスと一緒に討伐依頼を受ける事もあった。マークは剣でエリスは弓が得意なのだそうだ。頑張ってもう少しランクが上がったらパーティ仲間を募集してダンジョンにも行ってみたいのだそう。その話をしてた時に私もパーティに誘われたけどお断りした。
私はソロでやって行くつもりなので、元々誰ともパーティを組むつもりはないのだ。協力して難易度の高い依頼や護衛任務等は構わないが、それでもパーティに入るのではなくあくまでもソロだ。
日本で生きていた時みたいに、下手に仲間を作って揉め事が起きるのは勘弁したいもの。深入りしないぐらいの友達知人位が一番好ましい。
そんな毎日を送りつつ3週間程経って漸く羽毛布団は完成した。
「出来たー!2つ目の羽毛布団!!」
そう。実は自分の分は先に出来ていて現在既に使用中だったりする。やっぱり人に渡す物を作る前に、先に自分の分を作って試すべきだろうと。なのでここ暫くの寝心地は最高だった。ふわふわと軽いのに暖かい羽根布団はこの世界にはないのである意味私だけのお得感よ......まぁ今日からはギルドマスターもその仲間だけど、ホワイトバードの羽根を回収する立役者だったので当然の権利だと思う。
「自分で言うのもなんだけど、凄く良く出来てると思うのよ」
綺麗な明る目の緑色のさらりとした手触りの布に、ホワイトバードの羽根をふんだんに使用した羽毛布団。最高かな!?
綺麗に折り畳み紐で縛り無限収納へと仕舞う。自宅に持って帰るならこじんまりと纏めていた方が持ちやすいだろう。
確か今日もギルドマスターは執務室にいた筈なので、善は急げとその足で2階へと駆け降りた。
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