第25話 ギルドマスター・3
「それでもうひとつの件なんだが、君が.....いや、リンと呼ばせて貰っても良いか?」
「はい、構いません」
確かにいちいち「君」って言いづらいだろうし、此方の世界では平民は特に名前で呼ぶのが主流みたいだしまぁギルドマスターなら仕方ないでしょ
「リンがギルドに薬草採取の依頼を受けに来た際に絡んできた奴らが居ただろう?」
「ああ、はい居ましたね」
確か男4人組のパーティに取り巻きの女冒険者達の事だよね?
「彼奴らは「紅き疾風」と言う4人組のBランクパーティなんだが見ての通り全員がそれなりに顔が良くて女性冒険者の取り巻きが多くてな、小さいいざこざばかり起こしてるんだ......だがBランクパーティと言うことと、揉めた相手に怪我人が出てる訳ではないから注意だけで済ましてたんだが、今回の新人冒険者に手を出した事で流石にこれ以上好き勝手にさせる訳にもいかなくてな.....次に何か問題を起こせば処分されると警告しておいた」
ギルドとして確かにBランクパーティを簡単には処分しづらいのは理解出来る。余程の事がなければしたくないだろう。それだけの実績があって、実力があるんだから。
でも仏の顔も三度までって言う事なんだろうけど。
問題ばかり起こして何も処分されないなら他の冒険者達にも示しが付かないことになってしまう。高ランクパーティなら何をしても許されるのかと。
「恐らくルーク達も本来馬鹿ではないはずだからリンに対して何かをしてくる事はないだろうが取り巻きがな......」
はぁと溜め息をつくギルドマスターに苦笑する。余程取り巻きの女達は散々これまでも問題を起こしてきたんだろう。
「此方でも気を付けておくがリンの方でも気を付けてて欲しい」
「......そうですね。もし何かされそうになった場合は正当防衛と言うことで良いですか?」
ニッコリと笑みを浮かべて言ってやると、ギルドマスターは少しだけ頬がひきつらせて了承を出したのだった。
目指せ、3倍返しですわー!殺るなら徹底的にをモットーに!!
「そうならないように祈ってるよ。彼奴らも実力はあるんだからもう少し謙虚になって貰いたいもんだ」
人間とはそう言う生き物だから仕方ないだろう。
Bランクパーティにまで登り詰め、周囲からはチヤホヤされ女性は何もしなくても近寄ってくる。取り巻きの女達も冒険者になった理由はそういった高ランク冒険者狙いなんだろうしねぇ......。
「まぁ無理だと思います。性格は治らないので」
「......お前、年齢誤魔化してないか?」
ギルドマスターの突っ込みはスルーした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます