第20話 可愛いワンピース

冒険者ギルドから宿に戻る前にまだ早い時間だし折角なので街の探索をする事にした。この街に来た時も宿屋やギルド周辺しか確認してなかったのもあるし、着替え等も見ておきたかったのもあるし、何よりも......。


メダ様から貰った着替えだけでも今は充分なんだけとわ、同じ様な感じの服だったから、違うデザインの服とかがないかと興味もあったのだ。


冒険者活動するならパンツスタイルの方が良いけどお休みの時とかならスカートとかも欲しいわよね~。特に今の私の美少女振りならさぞかし可愛らしく着こなせるだろう。自分で言うのもなんだが......。


でも正直な話私のこの顔、どうみても平民顔じゃなく貴族顔なのよねー……。まず平民で銀髪はないわー。

だから余計に目立つんだとは思うのよね、うん。


思わず頬に手を添えて頷いてしまう。


「あ、ここが洋服屋さんね」


ギルドから宿屋に向かう方とは逆方向へ歩いて行くと洋服屋さんらしい生地の絵が描かれた看板が目に入る。少し高級店ぽく、ショーウィンドウがあり可愛らしいワンピースやらドレス等が飾られている。


平民でも商人とかなら伝で貴族の屋敷に招待される事があるのかも知れないわね。そうすると流石に所謂平民な格好はしていけないだろう。


カランカランと音を立てドアが開き中へと入ればショーウィンドウに飾られている以外の普通の服も多種多様に置いてあった。


「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」


このお店の従業員らしき女性が直ぐ様声を掛けてくる。ちなみにお店の中に他のお客さんは居なかったので直ぐに私に声を掛けてきたんだろうなぁと思う。


「えーっと、普段使い出来るような服とお出掛け用?な感じのワンピース系があれば見せて欲しいんですけど」

「はい、大丈夫ですよ」


店員さんは直ぐ様希望の商品が置いてあるエリアに案内してくれた。洋服は1枚1枚ハンガーのような物に吊り下げられて見やすくされている。


......異世界にもハンガーがある事にビックリだわ。でも確かに必要よね、特にドレスなんかは。


「あ、これ可愛いかも」


緑色の生地をベースの膝下ぐらいの長さのワンピースで黒のセーラーカラーに白のラインと花の刺繍が入った襟がついており、裾と袖口にも同じように2本のラインが入っている。


「あの、試着とかさせて貰って良いですか?」

「勿論です。どうぞこちらになります」


試着室に入り、ワンピースを着てみるとサイズはまるで私用に誂えたかのようにピッタリで着心地も悪くなかった。何より私に凄く似合ってた。自画自賛過ぎる?いやでも本当に似合ってるのよ!店員さんも大絶賛してくれたわ。可愛くしてくれて創造神メダ様様々よね!!


「お買い上げ頂きありがとうございました。また良ければお越し下さいね」


結局試着したワンピースと、冒険者活動用に数着の着替えを購入してお店を後にした。



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