第070話 青の衝動(7)

 ──留置場。

 売上不振からブルーフィルム制作に手を出していたカジノ一味と一緒に、ドグも放り込まれていた。


「あの……お巡りさんっ? わたし無辜むこの市民なんですけど、どうして入れられてるんです? 早く出してくださいよぉ!」


「うるさいっ! 模造硬貨チップ山盛り抱えて、換金しろ換金しろって路上で騒いでただろう! ああおおっぴらにやられちゃあ、こっちも捕まえんわけにはいかんのだ!」


「ですからぁ、フォーフルール家長男のファルンと、ブルーフィルム流通組織の内偵してたんですってぇ! あいつを呼んでくださいよぉ!」


「そんな話は聞いていない! フォーフルール家のご子息にちょっと似た女が、当日現場にいたそうだが……。その女は行方知れずだ!」


「あーっ! きったねぇ、きったねぇー! 警察ン中じゃあ、そんな解釈になってんの!? 軍も警察も、フォーフルール家に忖度そんたくしすぎじゃないですっ!?」


「うるさいっ! ただでさえおまえは、『ナンパがしつこい』『ストーカー予備軍』で通報が多いんだ! しばらくそこで反省してろ!」


「あ……それについては、申し開きありません……。すみません。反省します……」


 ドグはその後、一日半を留置場で過ごし……。

 厳しい説諭で、無罪放免になったという────。

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