45、新たな出会い 1
本日のポイ活と魔物討伐の途中、誰かの交戦中の音が聞こえた。
助けを求められない限りスルーが一般的なので、スルー。
討伐が終わり、キルドへと向かっていると、また交戦中の音が聞こえた。
音は先ほどの場所、少し交戦時間が長いと近寄った。
すると、冒険者が誰かを庇いながら戦っていたのだと、先ほどの状況判断ミスをカバーすべく助太刀に入る。
三匹の魔物の一匹を背後から倒しながら、介入すると言うと、助かると返ってきた。
防御のみに徹しているので、残りの二匹も倒してしまう。
終わってから気付いたが、冒険者は怪我をしているし、もう一人は倒れていた。
回復薬を渡し、二人を落ち着かせた。
残念ながら、回復薬と言っても気力を戻すようなエナジードリンクのような代物。
ゲームのように怪我がさくっと治るわけではない。
アンも治癒魔法を使えるが、他人に施す回復系魔法は、他人の魔力干渉して回復させる為に、正規ヒーラーでなければオススメしない、回復薬渡しが妥当。
相性が悪いと状況を悪化させる。
正規のヒーラーは、他のことを度外視して最低1年間はヒーラーを習わなければいけないので、ヒーラー業は即諦めた。
「ヘルプ実は?」
こんな事態が起きた時の為に、金柑のように小さく赤いヘルプ実という実を冒険者は常時持つ。
どこかに投げ付けると一時的に根を張り花を咲かし、花がずっと音を鳴らし続けるという優れモノ。
解除は、茎を優しくトントンすると音を止め、実に戻るという不思議な実だ。
「……今日は持ってきてなくて」
「常に3個は持つことを推奨する」
「甘かった。……助かった」
「その人は仲間?」
「今回の護衛依頼主で一応、冒険者。掲示板に、薬草採取に夢中になると無防備になるから護衛求むって、いつも貼られてる案件見たことあるでしょ、その依頼主」
ギルド掲示板に常時貼られている依頼だ。
その依頼主は、いかにもな大きなとんがり帽子で隠れて顔が見えない。
「中級以上の麻痺解除薬あるか?罠に触って麻痺で動けなくなってしまっているんだ」
「魔物用の罠に?」
「欲しい薬草がまた罠の中にあったらしい。さすがに麻痺解除薬の6個目は持ってなくて」
「全て上乗せするよ」
「使った回復薬は、そっちに請求してくれ」
麻痺してる冒険者を顎で指す。
こんな時にタダで施すのは厳禁。
一度でもすると、カモられる対象となってしまう。
ギルドに交戦の介入や使用した薬などの報告後に現金化するのが常識。
野良ヒーラーなどは、使った魔法の回数で雇い金が跳ね上がる。
だから、ヒーラーなしのパーティばかりで薬の常備基本中基本。
そんな二人を引き連れてキルドに向う。
今日が土曜で助かった。
寮の門限には間に合わない時間。
土曜などの、翌日平日の日以外は、よりポイント多い奥での依頼をこなす。
一度、門限アウトで寮に潜り込みでシェルに怒られたので、土曜は宿を取るようになった。
ちなみにこんなお助け時には、状況で追加ポイントもあるので、事細かに状況説明しっかりも基本!
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