第11話 廃工場襲撃 下
「お見事!お見事!いやぁあの2人組を倒すとは中々の腕前ですねェ」
俺が休息を取っていた時だった。後ろから拍手が聞こえふくよかな男が階段から降りてくる。
「申し遅れたネ、あたシ
「俺は死ぬ予定も無いし。面倒臭い奴を相手にする気も無い」
「あ?」
「テメェをぶっ倒してさっさと帰らせて貰うからな」
アズライードを指輪へ収納し黒いハーフタイプのグローブを手にはめる。本革で出来た少しお高めのグローブだ。
一つ違うところがあるとしたら。
「ハハハハハッ!そんな真正面から走ってこられたら子供でも当てられるネェ!」
「バカスカ撃っててもそんな弾利かねぇよ!!」
「なっ!拳で弾丸を叩き落としタ!?」
”加速”そして”硬化”のルーンが刻まれているからだ。
このルーンを刻むという技術、ルーン鍛造は都市の地下深くにある遺骸と呼ばれる場所で発見された技術であり。この都市では施せる人間は歯車企業の高命院か特異な技術を使う
加速は文字通り拳の速度を加速し、硬化は手袋を特殊合金の塊と同じ位の硬度に変える。
限られた人物しか刻むことの出来ない技術の為かなり強力だ。
「貰ったァ!」
俺目掛け、荘厳な装飾の施された薙刀が真っ直ぐと振るわれ、風を斬る鋭い音が鳴る。
もっとも。
「っ!なっ!?」
「…」
「ゲァッ!!」
遅すぎる。
これならまださっきの2人の方が強かった。
薙刀を受け流し、シャオロンの後ろへ回り込み腰へ拳を叩き込む。
シャオロンの贅肉が揺れるが、脂肪が鎧の代わりになった為か倒れることは無かったようだ。
「ガキがぁ!!?」
「ぶよぶよで助かったな」
シャオロンは直ぐに体勢を元に戻し、俺を睨みつける。薙刀を両手に持ち直し縦に一閃するが、それを必要最低限の動きで避け、カウンターとして腹目掛け蹴りを突き刺す。シャオロンの骨が折れる感触を感じる。シャオロンは苦痛の声を上げるが怯むことなく薙刀を振り回すが、俺のカウンターとして放ったアッパーがシャオロンの顎へ直撃した。
顎にクリーンヒットしたアッパーはシャオロンを2mほど先へ吹き飛ばし、気を失わせた。
「弱い…通信は結局使えずじまいか、こいつをさっさと運び出さねぇと…重っ!?」
後ろのシャオロンを背負った時に気づければ良かった。俺が今1番探していた男の存在に。
◆◆◆
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修正
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