アルビオンシティワーカーズ

星ワカメ

プロローグ

「はぁ…はぁ…助けてくれ…」


ネオンの光が当たりを照らし、鮮やかな水溜まりを作り出している、そんな日常の中、男は何かから逃げ惑っていた。

身体中が傷付き、息も絶え絶えである。

そして路地裏に逃げ込み、そこにあったゴミ箱の中に隠れていた。だが足音だけは聞こえており段々と近ずいて来るのが分かる。


(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!こんな時にワーカー共は何してやがるんだ!!)


恐怖で声が出そうになるのを堪えながら何かが通り過ぎるまで待っているとふと足音が消える。

蓋を少しだけ開け、外を見る。

蓋を開けて見えた物は、人間の体をぐちゃぐちゃに混ぜ合わせたような怪物が佇んでいた。


「ひ、歪人ヒズビト…あっ」


恐怖で声も出ず、何も出来ない。

怪異はこちらへ手を伸ばす、だが死の瞬間は来ることはなかった。

目の前では信じられないことに、怪異を手に持つ剣でバラバラにしている少女が居た。


「は、え?」

「あー、低級の歪人の討伐完了、市民1人を保護した。アンタ立てるか?安心しろ医者まで送ってやるから」


そう言うと、燃えるような赤色の混じった白髪の少女はニッと笑って見せた。

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