優しい夜の果て【完結】
カエデ渚
序文 いつかの問い掛け
最後はやっぱり、悲しい。
どれだけ楽しくても、どれだけ幸せでも、訪れる最後というのは寂しくて悲しい。
だけど、そう思ってしまうのはやはりそれまでが幸福なものであったということに他ならない。
——メメント・モリ?
ああ、そういう大層な話じゃあないよ。世の中に溢れる当たり前の一つの話だ。
例えばそうだなぁ、仕事の合間に飲むコーヒーは普段より少しだけ美味しく感じるとか、ふとした瞬間に気付く季節毎に異なる風の匂いとかさ。
人それぞれ感じ方は違うんだろうけど、でもきっと共感してくれる人は多いだろうなっていう話。
そうそう、そういう話なんだよ。
私の思うどれだけのことに、君は共感してくれるのだろう、っていう話さ。
例えば、ブラックコーヒーは苦手だけど匂いは好き。虫は苦手だけど何故か蜘蛛だけは可愛く見える。
例えば——。
好きになった人が、好きになってはいけない人だった時、君はどうするのか、とかさ。
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