第6話 愛沢さんと同じベッドで寝てしまう

6-1.五人の義妹が入ったあとのお風呂に入る

 そして、気付けば〇時。


 深夜というか翌日というか、とにかく〇時に、俺はお風呂に入っている。


 移動して服を脱いで、体を動かしたためか少しだけ頭が冴えたんだけど、脱衣所に入った瞬間、甘い蒸気に包まれて俺の思考力は衰えた。


 何故、俺がこんな遅くに入浴しているのかというと、遅くに風呂に入ったからだ。……じゃなくて、二十一時に美空がお風呂に入り始めたから……だ?


 これはいつものこと。美空は、二十時から二十一時まで放送しているテレビドラマを見終えてから入浴している。


 しかし、美空の次に美空さん愛沢さんと、合計三人が入った。三人も美空がお風呂に入った。意味分からん……。


 各人のお風呂タイムを計ったわけではないから不明だが、お風呂が空いたことを愛沢さんが俺の部屋に伝えに来た時点で、既に〇時だった。と思う。


 ……。

 …………。やばい。寝落ちしかけていた。


 俺は首を左右に振り意識を保つ。風呂で寝落ちは洒落にならん。


「いったい、これからどうなるんだ……」


 いきなり美空が五人に増えた。


 当面の生活ルールについては話し合ったから問題ないけど、両親が帰ってきたらどうなるんだろう。

 義父さんは文化財の修復で京都に長期出張中だ。一年は戻らない。けど、たまには帰ってくるだろう。

 それに、付き添っている義母さんは毎週土日に俺達の様子を見に来る。


 義母さんが帰ってくる日は愛沢さん達に出掛けてもらうとして……。


 ああ、でも大勢で生活している痕跡でバレるかも……。


 それに生活費だ。

 義母さんからもらっているお金だけじゃ、絶対に足りなくなる。

 愛沢さんはなんとかなると言い張っているが……。


 どうしたらいいんだ。考えなきゃいけないのに、眠くて……。考えが、纏まらない……。


 ぶくぶくぶく……。


 トプンッ……。


「……ッ!

 げほっ、げほっ!

 ……やべえ。寝落ちするところだった。

 あー。喉がヒリヒリする。お湯を少し飲ん……」


 美空達五人が浸かった後のお風呂のお湯を……。


 駄目だ深く考えたらいけない。

 美空達は同一人物だからゼロカロリーのはず。

 いやいや、俺、何を考えているんだ。

 眠すぎて頭がおかしい。


 ……出よう。


「眠い……」


 俺はいつも二十二時には寝ている。〇時すぎまで起きていることは殆どないため、頭は完全に睡眠状態だ。


 体が乾ききる前にパジャマを着て、寝ぼけ状態で自室へ戻り、寝た。


 俺は眠くて意識朦朧としていたから、数時間前にベッドと布団の割り当てをしたことはすっかり忘れていた。


 そう。

 俺がいつものように潜り込んだ自室のベッドでは、愛沢さんが寝ていたのだ。

 俺はそのことを忘れて、同じベッドの中に……。

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