2ー②
「うーす」
と言って入室したのは、金髪を逆立てた、身の丈180センチはある大男。上衣は学校指定ジャージだが、スラックスは制服のものだった。
凶悪な風貌をしたヤンキー風の男を目にし礼は本能的にさくらの後ろへ隠れてしまう。
「さ、さくらさん、何ですかあの怖そうな人は?」
小声でさくらに問う礼。
「彼は寅ちゃん。ここの部員だよ?」
「寅ちゃん!オイッス!」
「オイッス、唯。ん?そいつは誰だ……?」
と、唯から“寅ちゃん”と呼ばれた大男はさくらの陰に隠れる礼を指さす。
「この子は新入部員の礼ちゃんよ。寅くん、怖がらせないであげて」
「俺はいつも通りだろ
「い、1年A組の赤比礼です!よろしくお願いします……」
「そうか。よろしくな」
とだけ言うと、寅之介は持っていた鞄をテーブルに置くや、部員の水槽が並ぶ棚へと歩いて行く。
「礼ちゃん、寅ちゃんは見た目あんな感じだけど、いい人だよ。ほら、見ててごらん」
と、唯に促された礼は寅之介の方を見やる。
「よーし、みんなメシだぞ~……コラ寅次郎、ガイアとマッシュが食えないだろ!」
寅之介は180センチ水槽内を泳ぐ大型魚達に話しかけながら餌を与えていた。
「魚と……話してる!?」
「しかも、1匹1匹に名前まで付けて可愛がっとるんよ?」
寅之介の後ろ姿を見て、礼は彼が見た目に反して優しい人間である事、そして外見で人を判断したのは間違いであった事を悟る。その時だ。
「よーし!!みんな揃ったな!?」
「部長!?いたんですか?」
礼が初対面した時と同じく、倉庫から登場した
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