抱えた思いの数だけで。

ももいくれあ

第1話

いつでも、ひざの上にいて、

腕や頭や脚や手が。

いつでもひざに触れていた。

頬をつけて、スヤスヤ寝ていた。

安心しきったその横顔が、嬉しくて、そっと撫でた。

そうやって、いつでも、いつまでも、

安心がソコにあるのかと、思っていたよ。本当に。

気がつけば、ひざは軽くなって、ひんやりとして、寂しかった。

もう少しだけ早く気づけば、

こんな風にならなかったね。

ちょっとした出来事で、すべてが変わる夜がある。って

知っていたら、よかったのに。

もう少しだけ、早く気づけば、

ワタシがワタシでいられたのに。

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抱えた思いの数だけで。 ももいくれあ @Kureamomoi

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