あまりにも非人道的な拷問
「ニーナチャン、オッハー!!今日のお弁当が美味しくて、一緒にニーナチャンのことも、食べちゃいたいナ〜♡(笑)ナンチャッテ♡♪」
「うわあぁぁぁあ!!あっ!!っやめっあああ!!!」
俺はセイちゃんがポトポトに住むエルフに送った謎の構文で構成されたキモい手紙を彼の前で、皆に聞こえるように読み上げている。
周りのエルフ達からは、セイに対してゴミを見るような冷たい視線が飛んでくる。
ニーナとは確か、エルフのスナイパー部隊の一人だったかな?
ふむ、赤毛のぽややんっとした印象の親しみやすい子で、好意を抱くのも解るが、あまりにも下半身直結的な思考でドン引きされてるじゃねえか。
「朝から北風ピューピューの中寒さに震えて布教してきたよ~!!アッチまでカチコチだよ!!寒さのせいかな?ニーナちゃんのせいかな?そうだ!ニーナちゃんの愛という名の人肌であっためてほしいな☆」
「おおおおおおおおお!!!!ああああああああ!!!!」
うーむきつい。
おそらくセカヘイの閉鎖的環境で育てられた、天然モノのキモさだ。
彼はこういう、身内ノリが許された世界で育ったのだろう。
「常識」が存在する外の世界に適応せず、そのまま身内ノリで欲望をフルバーストで開放し、その結果、このように盛大に恥ずかしい事態になっている。
俺だったら自ら死を選ぶね。
もし俺がこのようなキモい構文を使ってミリアに語り掛けていたら、もうそこに俺の自我はないはずだから、迷わず引き金を引いてほしいとすら思う。
「はっ!話す!セカヘイの事は何でも話す!だからもうやめてっ!!」
「……ほう、では聞こう。お前たちは何処に献金を集めている?」
「目本、目本のセカヘイの上位メンバーです!私たち太子は布教を許されただけの、ペーペーでしかないんです」
「……セカヘイの上位メンバー?どういう者たちだ?」
「私たちはセカヘイの上位メンバー、世界の平和を作るために戦う『
何かクッソ危ない言葉を聞かされている気がするな。まあいい。
「……先ほどファーザーと言ったな。そいつがセカヘイのトップか?どこにいる?」
「ファーザーは目本の『挑戦人』でも、一部の者しか会えないんです。それはもう国家予算レベルの献金が必要で……」
「……なるほどそのファーザーとやらに会せてもらおうか?」
「聞いてたんですか?!国家予算レベルの献金ですよ?!こんな村に……」
「……わが眷属ミリアよ、あれを持ってこい、まだ耐湿コンテナの中にあるはずだ」
「ようがす!!!」
俺はミリアとエルフ達が押し出してきた大きなコンテナを開ける。
その中から出てきたのは札束、札束、札束だ。
まさかもう一回使うことになるとは思わなかったな。
さて、国家予算レベルの金だぁ?
ガハハ!!!!それならいくらでもある!!!!
モチロン、本物とは変わらない「ニセ札」の「ポンダ」だがなぁーーー!!!
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