弓づくり

※テコ入れ回です。


「ふふ……すごい、反り返って、こんなに力強いの、初めてよ♡」


「こんなのカチカチになって、入るかしら……?せめて先っぽだけでも?」


「あんっ♡あっ……すごい、硬くて、こんなの初めてっ♡」


 デドリーは機人から譲り受けた木材で弓を削り出し、その先端にあけた穴に麻ひもを通すために、弓を曲げようとするが、なかなかに手ごわい。

 体重をかけて、たわませて紐を穴に通して掛けないといけない。


 <ギッギッギッ>


「ふふっ、もう観念なさい♡んっ、ふぅっあっ♡中に、中に出すのよ♡」


 <ギシッギシッ>


「あんっあぁっ、いいわよ、まだ固いけど、大きくたわみがなってる、出るのねっ♡」


「あっふぅ……いいこね、一杯出したわね♡いいこ、いいこ……♡」


 弓の先端に開けた穴からは、弓の弦をかけるのに十分な長さが出ている。これなら問題なく、掛けられるだろう。


 よし、かかった。ためしに弓を引いてみるとしよう。


「すごい強さね、まだ強張ってる♡ふふ、まだ、出し足りないみたいね♡」


 弓のポテンシャルを引き出すために、もっと弦の長さを絞るべきだろう。しかしこの素材の柔軟性、素晴らしい弓になるだろう。そうデドリーは思った。


「ハァ……すごい♡貴方みたいなの初めて……♪」


 ふと振り返ると、エルフの男たちが皆前かがみになっている。

 はて?何か具合でも悪いのだろうか。病か何かが流行ってるとよくない。


 2本目を作ろうとしたのだが、何故か材料を取り上げられてしまった。

 あら?

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