もういっそ引っ越した方がいいでしょ

 冒険者たちの遺骸を投入口にほいほい入れて気づいたが、こいつら少しだけだけど、金銀もってますね。多分通貨かな?


 しかし女の子の冒険者もわりといて、ちょっと心が痛むな、二度見もできない姿になっている。

 まあそんなのを連れてくる連中の方がどうかしてるんだが。


 おっぱいの大きい神官風の格好の女の子の体を頭から砕きながら、その死体から落ちたものに俺は眼を留めた。

 タイトルは『カリスト教の教え』かぁ。なんか嫌な予感しかしないけど、一応拾っていくか。

 いけね、脂で投入口がぬるぬるになっちゃってる。ふきふきしながら入れよ。


 さて、一通り冒険者の死体を砕いたので、素材を確認してみる。金、銀、鉛、銅、おお!

 それに鉄はもちろん、ちょっと希少っぽいチタンとかマンガン、ごく少量だがウランまである。

 おや、ゴムも結構あるな?何でそんなもん持ってんだ?あっ(察し)


 しかしあれだな、ゲームの冒険者って大体ポッケの中に、何に使うかわからん草とか鉱石貯めこんでるけど、その習性はこっちの世界でも同じか。これは助かるな!


 これなら、内政に使える機械が作れるようになるかもな。

 いや、トラックとかでエルフを丸ごと何処かに移動させたほうがいいな。


 戦争中の内政の基本は、まず安全の確保だ。

 相手が機動力のある騎兵なんかで、嫌がらせしてくるときに、城壁がないと、やり放題される。


 エルフの里をそのまま強化するのはちょっと難しい、手ごろな石材が見当たらないのだ。

 お堀を掘って~だけだとちょっと心もとない。


 だが、俺の知っている場所で、大量に資材が転がっている場所がある。


 そうだ、あのスキピオという爆弾で粉々になった街だ。


 一気に吹き飛んだが、石やレンガなんかの瓦礫は街をリング状に取り囲むように残ってた。

 あの瓦礫をクラフトメニューで壁に変えてしまえば、安全確保の問題は解決する。

 だがその前に確認だな……


「ミリアよ、わが眷属よ」


「は、はいぃなんでしょう!機人様!」


 冒険者たちの死体を手当たり次第に集めているミリアは喜色円満という感じだ。

 もうこの光景も見慣れてしまったな。


「エルフの里だが、あそこを引き払い、より防備の固い村を作ろうと思う。

だが、あの村を捨てることに心残りはないか?」


「いえそれなら全然。どうせ仮住まいの場所ですし。」


 あ、そうなのね。


「では、皆を連れて、かつて人間の街だった場所に行くぞ。今やがれきと塵芥ちりあくたしか残っておらんが」


「と言いますと、つまり……」


「我が焼いた。あの神の鳥でな。良い場所だったのでしばらく使うとしよう。人間には勿体なき場所よ。」


「さっすが機人様ー!私はヒトブタを殺すことしか考えてませんでした……エルフのみんなも強くあらねば…!皆には私から伝えます!奴らの国をなぶってなぶりまくりましょう!」


足下そっかの信仰心には我も感銘を受けている。任せたぞ」


「はぃぃぃ!仰せのままに!!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る