ウォォン俺はまるで人間兵器庫だ
★★★
――神聖オーマ帝国の勇者が肉塊になるちょっと前のお話
★★★
ゲームでプレイヤーが多数の武器を持ってるやつあるじゃん?
修理素材にライフル10丁持ってみたり、ミサイルとか重火器をいくつも持ち歩いたり。
あれを実際にやってみた――。
エルフの村にいる俺は今そんな状況になっている。
あの後、どんな武器が作れるか色々と試してみた。
その結果、この体は思った以上にいろいろと作れるようだ。
低級なものだと、竹槍やナイフみたいな粗末な物。
中級だとアサルトライフルとか機関銃とかになる。
上級ともなると、ミサイルとか大砲とか無人飛行機まで作れるようだった。
とはいうものの、森や、エルフの村にあるような素材では、低級な装備しか作れないようだった。
だが、幸いにもバケツ頭たちが残してくれた鎧なんかがある。それを使えば中級までは作れた。
さすがにエルフの未亡人に竹槍持たせてハイお終いっていうのはちょっとねー、という事で未亡人の皆様にはアサルトライフルと機関銃を用意することにした。
のどかとは言えない痛々しい焼け跡の残るエルフの村に黒鉄の銃器がある光景はなんか、世界の歴史の縮図というか
だけど、オッサンにして心は一般的男子の俺は、こういった大量に並んでる武器を見ると、テンションがブチ上がってしまう。
しっかしなあ、アサルトライフルとか機関銃でもやばいくらい有利ではあると思う、でも数十人しかいないエルフで神聖オーマ帝国とガチンコで殴り合うっていうなら、上級の装備が作りたい。
何かいい手段はない者かなあ。上級はチタンやら銅に金とか、結構レアっぽい素材が要るんだよねー。
ミリアはバッテリー持ってたし、何かため込んでないかな?聞いてみるか。丁度様子を見に来たみたいだし。
「わが眷属ミリアよ……汝に問う」
「は、はい!何でございましょう!機人さま!」
「我に捧げし聖遺物、あれの他に残りし物はないのか?」
「神殿にはあれしか…でも他にもよくわからない祭祀具はたくさんあります!」
「案内せよ」
「はい!よろこんで!」
俺とミリアはエルフの村の片隅に向かった。
神殿はエルフの地下墓、そこに隠された扉の先にあった。
神殿の内部はちょっと説明が難しいが、できるだけ頑張って説明してみる。
神殿の壁は手掘りの土壁で、まるでお誕生日会のオーナメントのように電線やらケーブルが垂れ下がり、電球とか色とりどりの電子基板が飾りとしてぶら下げられていた。
神殿の中央には説教壇。その前にはでっかいお皿があって、なぜか上にノートパソコンが置かれいて、ナイフが突き立てられている。
生贄の儀式なのか?ノートパソコンが可哀想すぎる。
皿の後ろには俺の姿をかたどったような角ばった神像があり、その左右には電化製品が積み上げられている。
まるで昔テレビで見たような、ゴミ屋敷の住民がそこらの粗大ゴミ拾って作ったオブジェみたいになっている。
……どうみてもカルト宗教です。本当にありがとうございました。
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