第211話 ボストンストロング ダメな僕だから英雄になれた

 ボストンマラソンのテロ事件を題材にした作品です。

 以前このエッセイで書いた『パトリオット・ディ』が犯人と捜査官の映画なら、こちらは巻き込まれの一般人の話です。

 しかも、ランナーですらない。

 腐れ縁の元カノにいい恰好したくて応援に行って、巻き込まれて両足を失った男性が主人公です。

 ちなみに実話ベース。


 重傷を負った彼の必死の供述で犯人は数日で捕まりますが……

 足を失った彼の日常と言うか、葛藤はここから始まります。


 いい意味で『普通』の人間の話であり、犯人逮捕に協力した英雄でありながら、当たり前に他人に八つ当たりしたり情けない姿をさらす、すごくわかりやすい主人公です。

 ある日突然、前触れもなく両足がなくなり、もう1度義足で立つことから始めなければならない主人公の、よくある『テロに遭遇し戦った英雄の話』じゃない、巻き込まれ、その先も生きなければならない『普通の人間』としての映画です。


 まあ、それゆえに強烈な印象などは残りにくいですが。

 わかりやすい映画と思います。

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