第190話 高所恐怖症

 映画『ザ・ウォーク』のところで書きましたが、高いところは怖いです。

 なんかこう……

 ヒュンッ‼って感じになりますね、足から力が抜けます。


 けれど、人間には『付き合い』と言う部分がありまして。

 仲間内で『展望台に上る』とか、高層階のレストランで食事とか。

 しょうがないから行きますよ。

 窓には絶対近寄りません。


 海外旅行に行っていたころ、面倒なので基本フリーのツアーに紛れ込むことがありました。

 泊まるホテルのみ決まっているやつ。

 当時の日本からの安ツアーは、現地の『安い』ではなく、かといって『高級』でもない、半端なホテルが設定されていました。

 最上階じゃない、けれど低層階でもない、30階とかに泊まる感じ。

 旅だから許容しますが……

 怖いよ、真面目に。


 以前中国の地方都市で、確か30階以上に泊まることになった時、夜中に非常ベルが響き渡りました。

 説明なんてないから、とりあえず部屋を出て廊下を覗くと、あちこちから顔が覗いています。

 いろんな国の、取り合えず旅行者っぽかったですね。

 多分そう言ったツアー客を詰めた階だったんでしょう。


 結局分からないまま、みんな部屋に戻って寝ました。

 非常ベルの故障というか、そう言うのはよくあるし、説明がないのはざらでした。


 まあ、今生きているからよかったものの……

 本物だったらどうなったのか、高層階にまつわる怖い思い出です。

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