第112話 剣岳 点の記

 明治時代、地図を作るために山に登る測量隊の物語です。

 陸軍の威信をかけて初登頂、および三角点の設置に挑みます。


 これは景色が素晴らしいです。

 山からの景色に、空に、雪に。

 今は何となく登山道があり、ある程度の安全が確保されていますが、なにせ明治時代の話。

 道なき道を、雪の中を、山岳信仰があり地元民の人の反発も強い中、ただ登るんじゃなく測量機材も背負って登るという苦行で……


 初登頂しか価値のない世界で、山頂にかつて名もない修験者が登頂を果たしている証拠を見つけ……

 素直に報告する主人公が格好いいです。

 依頼者である陸軍は、『初登頂ではない』ことに不満げですが、彼らがいなければ『日本地図』が出来なかった、地道な、まさに地を這うような物語でした。

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