メンズイズデッド
@tsuusan
第1話お母さーん!
お釜帝国が主に支配する世界、リリーワールド。
この世の男らしい男はすべて排除し、美しい女性、そして美しい女装男子だけの美しいラベンダーの香り漂う世界を目指す闇のお釜帝国女帝桃百合。
桃百合は美しい女性軍フェロモン全開、そして女装部隊を使い、男臭い男性達を排除し、国とりをしていた。
お釜帝国に逆らう男性ホルモンオンリーの男達はモテナイルーズと言う反逆組織を作り抵抗する。
科学が恐しく進んでいるこのリリーワールド。
メガネ博士達が作った能力活性薬、属性付与剤を飲み能力者としての戦いが各地で行われていた。
そしてここ、ケンの住むマッチョ王国。
フェロモン全開女性能力者亜実率いる女装部隊に支配されてしまっていた。
マッチョ王国の国民9.5割は女装または女性が暮らす。
小麦風車がよく似合うきれいな北欧風な町並み。
きれいな紫色のお花畑が広がっている。
新しい家を建てるために綺麗な風景に金づちの音。
ケンの父ケン五郎は男気盛んな大工で言葉使いも悪く、亜実新国王の条令、女装すべしに逆らっていた。
仕事が終わり、いつもの楽しみ日本酒をひっかけるケンの父。
ボロ臭い掘っ建て小屋に住むケン一家は幸せに暮らしていた。
そんなケン一家に悲劇が襲う。
見回り隊が土足で汚い小屋に勢いよく入ってきた。
「あなたの旦那は、もうハゲちらかってるからアウトよ、さよなら油ボウズ…。」
大鎌をもつ女装第1隊長日本舞踊家の明生が前ハゲ男性ホルモン満載の父ケン五郎の喉をめがけ扇子の先端を刺す。
「ぐ…ケ…ケンよ…お…おまえは…男らし…く…。」
ケン五郎は力尽きてしまった。
「うわ~ん父ちゃん。」
まだ少年のケンは泣き叫ぶことしかできなかった。
「奥さん、この子はどう育てる気かしら?」
ケンに大鎌を突き付ける明生。
「必ずこの子は女らしく育てます…どうか、どうかお許しください…ううっ。」
母の光子は必死に訴えた。
「あらそうわかったわ…もしピチピチ成人前まで女らしくならなかったらあなたは大鎌で…わかるわね?…」
そう言い残し明生率いる見回り隊は小屋から去っていった。
母子家庭になってしまったケン。
ケンはすくすく育ちバリバリの男として育てあげられた。
「あなたはもう立派な成人前…お父さんの敵をとって…ね…。」
ケンの母は病気の身体に鞭をうち必死に働きケンを育て息をひきとる。
「お母さーん!わかったよ…俺…いってきます。」
ケンはモテナイルーズマッチョ支部の門を叩いた。
支部長ユウアがケンを迎え入れてくれた。
ユウアはとても茶髪が良く似合う好青年、女に不自由しない炎の能力者。
ケンとの出会いは建物の隙間でケンが立ちションをしている時、見回り隊の女装おやじに見つかった時だった。
ケンは能力者ではないのに対し女装おやじは油玉飛ばしの能力者。
ケンに勝ちめはなかった。
その時ちょうどチチクリ合うため建物の隙間に向かっていたユウアとその日会った女性。
ユウアは邪魔くさい女装おやじを倒しついでにケンを救った。
ユウアはとても魅力的だった。
女装しなくても女のような綺麗な顔。
男気な戦いっぷり。
一方ケンを見たユウアは女装すべしに逆らう男だとすぐにわかった。
名刺をケンに渡し、時が来たら来るように言ってさっさと追い払い、そして楽しんだ。
「もう3日前の出来事かぁ…懐かしいなぁ。」
思い出にふけるユウア。
ケンはモテナイルーズマッチョ支部の中を眺めていた。
薄暗い目立たないように山の中に作られた木造だてのペンションマッチョ支部。
三人の血気盛んな男達が仲間としていた。
コードネーム…あ、い、う。
「さっそく仲間ができたところだがユウア…凄い情報を手に入れた…亜実が作った研究所の場所がわかったんだ…そこを叩けば能力者をこれ以上増やすことはできなくなる!…今がチャンスだ…決断を頼む。」
う、が情報ガールから仕入れた物だった。
「よし、行こう…ケンは武器を持ちなさい。」
ユウアはケンに木製バットを渡した。
「実戦経験ないよ?」
バットを力強く握りしめるケン。
「大丈夫しょ…研究所なんてガリ勉しかいねぇだろ。」
ユウア率いるマッチョ支部は研究所を壊す作戦を実行する。
亜実の作った研究所はとなり山にあった。
綺麗に建てられた女性に優しい研究施設。
ユウア以外汚い臭い男達。
汚い手で施設のドアを押したり引いたりする、あ。
「ケン、木製バットでおもいきりガラスを割れ。」
あ、に指示されたケンはおもいきりガラスを割った。
警報がなり、施設警護隊が駆けつける。
「くそ!罠だった…ちくしょー!」
い、は抵抗したが施設警護隊は強かった。
「なんだこいつら…強すぎる。」
ユウアは炎の拳を使い戦っていたが警護にしては強すぎる隊。
あ、い、う、ケンは瞬殺されてしまった。
ユウアは警護隊に捕まり実験室に連れて行かれた。
人が一人入るようなカプセルの前に老女の研究者。
そして新国王亜実の姿があった。
警護隊にぼこぼこにされたユウアは腕を掴まれ自分では立っていられないほど力が抜け、意識がもうろうとしている。
亜実はユウアの頬をおもいきりビンタした。
「やっと捕まえたわ猿…おまえが散々たぶらかした優菜を覚えているか?…私の美しい部下だった…まさか自分で…私はおまえを許さない、汚いものをちょん切るだけでは気が晴れない…そこで私は考えた…この生物結合実験第1号にしてやろう…優菜と結合して優菜の復活だ。」
警護隊に掴まれていたユウアはカプセルの中に入れられる。
「スイッチオン。」
ユウアの身体は優菜の細胞が混ざり合う液体に沈み徐々にユウアの細胞に溶け込み支配していく優菜の細胞。
ユウアはピチピチ茶髪のスレンダー優菜になった。
「まだ意識は戻らないでしょう…亜実様、どうなさいますか?」
警護隊にカプセルから抱きかかえられる優菜。
亜実の指示で優菜は監視のできる部屋に寝かされる事になった。
意識が戻らない優菜を見ながら亜実は微笑んだ。
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