ポスト/リポスト
「ポスト/リポスト」
この文字だけだとなんのことだか皆目見当もつきませんが、皆さんご存知の通り、これはイーロン・マスク氏が就任してからたびたび世間を賑わせている存在になります。
そうです。X(元Twitter)のことですね。
彼が就任し社名も変わってから、「Twitterらしさ」と呼ぶべきでしょうか、それがどんどん放逐されています。
社員に始まり、機能、設定、社名、名称、挙句の果てには無許可で道路を占有してTwitter社の看板を外して道に落とすという暴挙。Twitterへの思い入れはともかく、ユーザーはおろかスポンサーに対してすらなんの説明もなくこんな横暴を働かれたら普通は腹が立ちますし、マスク氏の倫理観を疑います。
さて、そんなX(元Twitter)ですが、機能に関する名称がここ最近で変わりました。Twitterでは「ツイート/リツイート」と呼ばれていたものが「ポスト/リポスト」となりました。
「ツイート」は「さえずる/(日)つぶやく」という意味の英語です。
「ポスト」は「投稿する/掲示する」という意味。
ここにSNSにおけるひとつの文化的意義を強く感じるのですが、皆さんはどうでしょうか。
「ツイート(つぶやく)」だと、インターネットという世界で強く生物的な動作を感じる以上に、全く我々が意図するところなく定着したSNSにおける新しい動作のように思います。ところが「ポスト(投稿する)」だと、言葉の意味的にも感覚的にも、なんだかちょっと古臭い。なんらかの意思表明をすることに対して、旧態依然とした認識をそこはかとなく感じるような気がするのです。
それになんというか、こうも感じます。
「ツイート(つぶやく)」のは、どちらかというと誰でもないところで放って誰かが耳を傾けてくれるのを待つイメージ。
対して「ポスト(投稿する)」は、明確な「投げかけ」をイメージします。
つまり「なにげなさ」ですね。TwitterからXになり、こうした「なにげなさ」が薄れてしまうのでないかと思います。なにげないつぶやきが思いもよらない共感の渦や社会運動を巻き起こすこともTwitterにはありましたが、きな臭い噂として反権威主義的な人のアカウントが凍結されるなども耳にしますので、今後はそういったムーブメントも起きづらくなってくるのかもしれません。
自分も今後は「ツイート」ではなく「ポスト」、「リツ」ではなく「リポ」と呼ぶべきでしょうか……。(「リポ」はちょっとかわいいかもしれません)
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