~~新しく入った大学はかわいい美少女が99%のハーレム学園だった件~~ 俺は幼なじみがいいと言っているのに、周囲がなぜか俺に告白してくるわけだが
静内(しずない)@~~異世界帰りのダンジ
第1話 プロローグ 俺が、ハーレム学園へ?
「恵一そろそろ時間よ」
「よし。身支度も整ったし、行こうか──」
鏡で、自分の姿を確認。髪は整えたし、服装もしっかり整っている。俺の名は
黒髪でちょっとツンツンしたところがある以外は普通の髪型。白いシャツと茶色いズボンの服装。
どう考えても埋もれてしまいそうな普通の外見。どこにでもいる一般的な大学生の格好だ。
今日は、大学初めての講義。
ドアを開け、部屋の方に身体を向けると、朝日が俺の背中を照らす。
引っ越したばかりのマンションの入り口で、靴ひもを結んで両親と向き合う。
「じゃあ、行ってくるよ」
「どうだ? 湘東の環境は、慣れた?」
スラッと背が高くて、男前な印象でスーツ姿を決めている。俺の親父だ。
親父が、すまなそうな表情で質問をしてくる。
やはり自分のせいで引っ越しになったということに罪悪感を抱いているのだろう。
わが結城家は、俺が中学生になった時から今年の3月までの約6年間。関西で暮らしていた。しかし、今年になって父親の転勤が決まる。
会社の都合でここ、神奈川の湘東市に一人転勤させなければならなくなった。
その中で、もともとこの地に住んでいた父に白羽の矢が当たり、転勤となった。
すでに、関西の大学に進学していた姉は近くのアパートを貸りて一人暮らしをしていた。俺ももともと地元の大学を志望していたが、さすがに俺もとなると資金の問題もありこっちで進学先を探すことになったのだ。
とはいってもまったく新しい場所というわけではない。俺が小学生のころ、住んでいた街だったのだ。
ある程度街のことは理解しているし、懐かしいという感情はある。
この辺りは神奈川でも人口が少ないエリアで、志望していた経済学部がある唯一の大学。あまり交通費をかけられない俺は必然的にそこに入ることになったのだが、この大学一つだけ俺にとって問題がある。
なんとこの大学去年まで女子大だったのだ。
少子化で学生の数が減った影響で今年から共学になったそうなのだが、まだ共学になったということがあまり伝わっていなかったらしく、入学式前の親睦会で講師の人に聞いてみたところ、女子が40人ほどに対して男子は数人というありさま。
「噂じゃあ女の子ばかりで、美人さんの集まりだってさ。ようやくお前にも春が来たな。彼女ができたら、俺にも教えてくれよな」
「女の子ばかり……」
「ああ、大学──行くのが嬉しくなってきたろ!」
親父はからかうように俺の背中を軽くたたく。待て待て待て──。俺は今までの記憶を整理する。
間違いない、俺は年齢=交際経験なしの存在だ。
別に、女性に対してトラウマとか恐怖心を抱いているわけでもない。
しかし、交際とかを意識した接し方は姉からはよく注意されたが得意というわけではない。
それに、俺は特に容姿が優れているわけでもないありふれた姿をしている。
そんな俺が、女の子だらけの大学。それも、きれいな女の子ばかりという評判の──。女子たちから変な目で見られないだろうか。うまく打ち解けられるのかと不安な気持ちになってしまう。
「別に、俺──そんなうれしく」
「いいじゃねえか。そろそろ彼女の一人くらい作ったらどうだ?」
茶化す親父。母親は苦笑いをしている。だが、いくら女の子ばかりの大学でもそうなる気が、全くしない。女性経験のない俺にこの仕打ち。
胃が痛くなりそうだ。もちろん、俺はハーレム好きなわけでもない。
「俺はいい思いをするとは思ったんだけどなあ。まあ、実際にハーレムを体験すれば考えも変わるさ。ほら、志願書を出した時の女の人。あれすげえ美人だったろ」
「確かに、きれいな人だとは思ったけれど──」
ああ、昼間に書類を大学に私に渡したときに行った講師の人。
眼鏡をかけて、黒髪のストレート。すらりと背が高くて、スタイルが良くてとっても美人だった。あこがれる人だって、当然いるだろう。
けど、歳離れてるだろうし、講師と学生。交際対象──にはならないだろ。
「俺だって、25年若かったら進んでここに進学してたよ。想像しただけでニヤニヤが止まらないぜ──」
親父──そういえば女たらしだったな。何人も交際相手がいて、異性との交際がない期間がほとんどなかったんだっけ。
元気よく笑う親父に、肘でうりうりと突っつかれる。
確かに、この地を去るのは惜しいが、この家に一人暮らしをするほど余裕があるわけでもないし、遠くの大学まで通える経済力があるわけでもない。
というか、金を出しているのは父親なのだから、俺だってあまりわがままを通すわけにはいかない。姉も大学に通っている以上どうしても制約がある。
これ以上俺のわがままで両親に負担をかけるなんてするつもりはない。
まあ、今までの俺と一緒でただ真剣にやっていけばいいという話。
そもそもモテるわけでもない俺、女の子がいくらいたところでやることなんて変わらない。
変なことを、意識しなければいいだけだ。
そんなことを考え、俺は大学へと歩いて行った。
異性だらけの、何が待っているかわからない場所へ──。
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