『月食』
やましん(テンパー)
『月食』
『これは、娯楽的ホラ・フィクションである。』
地球の超巨大大国ふたつが、月の資源開発にしのぎを削って、周囲の忠告にも耳を貸さず、ついには、巨大掘削宇宙ロボまでを導入したため、あっという間に月は削られて行き、すでに往時の3分の1くらいの大きさになってしまった。
ふたつの超巨大大国は、火星に植民地を築き上げていて、地球の資源はとっくに喰い尽くしたし、月の資源も先が見えてきたことから、本拠地を火星に移していた。
そこを見計らって、ナンバースリーが地球の再統一を狙って、クーデターを起こしたのである。
しかし、そうなると、超巨大大国は、地球の覇権は失いたくないので、普段は仲が悪いのにも関わらず、共同して、ナンバースリーを潰しにかかったのであった。
しかし、ナンバースリーのリーダーは、かつて、地球人類が生まれる前に、太陽系全体を支配していた、まさに、不死の存在であった。
長く、正体をひたすら隠していたのであるが、愛するお月さまが、完璧に解体される寸前までになったため、ついに、堪忍袋の緒が切れた。
超巨大大国のリーダーは、あっさりと、粛清されてしまったのである。
だ、だ、だ〰️〰️〰️〰️ん。
・・・・・・・・・・・・・・・・
お饅頭を頂き、お酒ぱっくをちびちびやりながら、不思議が池を統べる女神、幸子さんは、映画を見終わった。
『まあ、つまらない映画ね。実写はぼろぼろ、お芝居は下手くそ。肝心の宇宙空間の映像は、史上最高に、お粗末な出来ときました。』
不思議が池の上には、満月のお月さまが、こうこうと、にこやかに、輝いている。
そこに、臨時ニュースが来た。
『太平洋から、弾道ミサイルが発射されました。目標は、中央県、不思議が池のあたり。弾頭の種類は不明ですが、列島全滅型の可能性あります。付近の方は、シェルター、または、耐ミサイル設備のある建物に避難してください。』
幸子さんは、呟いた。
『またまた、愚かなことを。どれどれ、お〰️〰️☺️ 確かに、来てます。やれやれ、目標捕捉。逆転迎撃ミサイル発射あ。』
逆転迎撃ミサイルは、まごうことなく、弾道ミサイルを絡めとり、反転させて、発射地点に向かわせた。
すると、なんと、海中から、逆転逆転迎撃ミサイルが発射されたのである。
それで、ミサイルは、仕方なく、不思議が池あたり方向に、また、向きを変えた。
『うん、まあ、やだ。同じ、女王さまの会社製のミサイルねえ。ええい、逆転逆転逆転迎撃ミサイル発射あ。いっけえ〰️〰️❗』
迎撃ミサイルは、またまた正確に、弾道ミサイルを捕らえ、再逆転させたのである。
しかし、しかし、海中からは、さらに、逆転逆転逆転逆転迎撃ミサイルが発射された。
なので、弾道ミサイルは、仕方なく、またまた、向きを変えたのだ。
幸子さんは、怒った。
ついに、昨日入ったばかりの、最新型地球破壊クラスの、超強力二段階迎撃ミサイルを打った。
最初のミサイルは、みごと破壊され、なんと、新しいのに入れ替わったのである。
しかし、相手方も、昨日、入荷したばかりの同じミサイルを打った。
ただし、1発しかない。
幸子さんは、2発持っていたので、追加で発射した。
・・・・・・・・・・・
女王さまは、成り行きを見ていたが、ついに、全部のミサイルに、秘密の破壊指令を出した。
『やれやれ、持っとくだけで、絶対に使わない、という堅い約束したのになあ。宇宙船にご招待して、小惑星で、デモしたからな。あれが、効きすぎたか。まずかったかしら。地球を壊されたら、商売にならないわ。ものすごい、お値段にしたのになあ。もったいないなあ。幸子さんとこに、配置しておいて、正解ね。約束破ったんだから。仕方ないわ。えっと、次のご注文は、と。お〰️〰️〰️。ついに、来たか。まさか、とは、おもったけど。まあ、あたくしは、不死だからなあ。でも、やはり、さすがに、この、受注は、止めとくかなあ。なにせ、あそこには、お家が、あるから。お金もうけと、権力だけが、全てではないわよね。リーダーは、時には、正直でないと。あの潜水艦、最新式振動魚雷で、破壊するわ。乗員は、基地に、転送する。売れるかな。』
世界は、大戦争だけは、免れた。
いちばん、悪いのは、誰?
・・・・・・・・・
『月食』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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