ぬくれやす幕末

エコエコ河江(かわえ)

自宅

序章 (世界一くだらないが必要なので仕方なく書いた)

〜〜◇ tips ◇〜〜

序章とは往々にして退屈である。

よほどの事情がない限り、

1章として始めたほうがよい。


    ▽


〜〜◇ tips ◇〜〜

1章は往々にして退屈である。

2章から始めたほうがよい。


    ▽




 最近、授業が面白い。


 周りでは五月病だなんだと無気力に包まれているが、オレは逆で、小中学よりずっと楽しんでいる。


 ゴールデンウィークは父方の実家で世話になった。経路の都合で東京に出てから埼玉に戻るので、行きや帰りには都会での買い物もできたが、今年は行きの食べ物だけだった。実家の蔵で見つけた歴史書が通説を痛快に覆す内容で面白い。帰りの買い物をせずに一人で帰ったのも、早く続きを読みたいからだ。


 高校デビューがうまくいかなかったと思ったが落胆には早かった。一ヶ月程度の遅れは取り戻せる。誰に何を言われても、帰れば歴史書が待っている。密かに力になっている。


 埃をかぶっていたが何度も開くうちに払えたらしく、もうマスクをしなくても平気だし鞄にも入れられる。勇気を出した出会いが嘘のようだ。江戸時代の知られざる歴史が詰まっている。おかげで授業が面白い。書かれていた幕末にも、その前やその後が必ずある。


 教科書もこのくらいわかりやすく書いてほしい。今なら予習復習が大切な理由がわかる。知らない言葉は手探りで向き合うしかないが、聞き覚えある言葉なら組み合わせ方に集中できる。もっと早く知りたかった。


 もうすぐ中間テストだ。皆と同じように、テスト勉強に勤しむ。今日もオレは知られざる歴史書を開き、日本を背負う一人として目覚めていく。今日も目から鱗が止まらない。



〜〜◇ tips ◇〜〜

以降は作中作を読んでいく形式となる。

エピローグで再び現代に戻る。


    ▽

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る