遠足準備②
「……ありがとう」
「どういたしまして」
僕たちの班に篠原さんが加わったことで問題は解決し、改めて自由時間の話し合いは仕切り直しとなった。
(なんの相談もせずに、篠原さんを入れちゃったけど大丈夫かな……)
知り合いである篠原さんを見捨てることができず、
「篠原愛子です。短い間ですが、よろしくお願いします」
「よろしくね、篠原さん。篠原さんはどこか行きたいところとかある?」
「特に無いので、皆さんで勝手に決めてください」
「わ、分かった」
「……」
相変わらずの塩対応に、あの夏樹でさえ、この有様である。
(優里も、委員長も、話しかけづらそうにしてるし……僕が取り持つしかないか。本当は優しい性格だし、みんなとは仲良くして欲しいな)
そんなことを考えながら、僕は篠原さんとみんなの仲を取り持とうと奮闘した。
−−−−−−−−−−−−
(夏樹視点)
「誰か、篠原さんを班に入れてあげてください」
(う〜ん、どうしようかな。篠原さんとは話したこともないし、今回はこの4人でいっか)
先生にそう呼びかけられたときは、そんなことを考えていた。
だから、コウくんが手を上げた時は本当に驚いた。
(え、コウくん⁉︎何してるの⁉︎)
私含めた誰も動こうとしない中、手を挙げたコウくんにみんなの視線が集まる。
「僕らの班でいいなら」
「ということだけど、篠原さんは大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
そして、そのまま私たちの班に篠原さんが来ることが決まってしまったが、起きてしまったことを、今更どうすることもできないので、これからのことを考えることにした。
(篠原さんとは話したこともないから、どんな人かはあんまり分からないけど、とりあえず話してみよう)
そう思い、私は篠原さんの軽い自己紹介の後、自由時間の話題を振ってみた。
「よろしくね、篠原さん。篠原さんはどこか行きたいところとかある?」
さて、この質問に篠原さんはどう答えるんだろう……
「特に無いので、皆さんで勝手に決めてください」
……感じわるっ‼︎
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今日は昼頃に、もう1話公開します。
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