入学式
「このクラスの担任を務めます、
朝のホームルームが始まった。
先生の自己紹介から始まり、1時間目に行われる入学式での諸注意などが行われた。
(んー、当たりの方かな?)
新入生代表挨拶のために職員室に行った時に、一年生担当の先生の顔ぶれは一通り確認したが、その中でも比較的当たりの部類だった。
(ふー、あのいかにも体育会系で暑苦しそうな男の先生じゃなくてよかった……)
竹本先生は若いのにしっかりしてそうな先生だ。
しかし、それだけならハズレの部類に含まれてもおかしくないだが、
竹本先生は美人だ。
大事なことだからもう一度言おう
竹本先生は美人だ。
(1年間ほとんど毎日、顔を合わせるなら、やっぱ美人の方がいいよね)
そんなことを考えている内に、朝のホームルームが終わり、入学式のために体育館への移動となった。
体育館に移動するために出席番号順に並んだところ、苗字が同じく「か」から始まり、2文字目が「じ」で、「ね」よりも早い、優里が僕の前になった。
(そうか、僕と優里は出席番号ひとつ違いなのか。優里が1番後ろの席で、僕が1番前の席だから気づかなかったわ。あの身長で1番後ろなんて……可哀想に)
「孝憲くん、何か僕に対して失礼なことを考えていませんか?」
「か、考えてないでござるよ?」
「考えてるじゃないですか!」
(な、なぜバレた)
「梶岡くん、金木くん、静かにしなさい」
竹本先生のありがたい
体育館に着き、席に座ってからしばらくして入学式が始まった。
校長先生や、PTA会長、生徒会長の話を聞き流し、ついに僕の出番が来た。
「新入生代表挨拶です。一年金木孝憲くん」
「はい」
(うぁー、すっげー見られてる)
僕は周りの注目を集めながら、ステージの上に向かって進んでいった。
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