2022年11月20日_大根は飲み物

 大根は固体じゃなくて液体だった。

 祖父が趣味でやっている畑で大根が取れたのでじっくりコトコト煮込んでみた。面取り、隠し包丁、米粒を入れての下ゆで、味付けからの煮込み、休ませ……。

 料理は適当にしかしない私だが、せっかく取れたものを無駄にしたくなくてさすがにレシピを調べた。レシピっていうか調理法とその理由とかを知った。

 以前、適当に煮たら辛かった。大根おろしの辛みが煮物全体に広がって嫌な感じだった。

 お米を小さじ一杯いれて下茹でをすれば解消するのだ。うまくいった。

 大根はめちゃくちゃに軟らかくなったし、味はよくしみてたし、辛くもなかったし、じゅわじゅわで美味しかった。ほんとスープ。大根は飲み物。

 なんでもそうだけど、自己流で適当にやったことがちゃんとした結果を生むことってないよね。

 当たり前すぎるけど、私よりも料理に本気な人たちが考えて見つけたことがこの世にはたくさんあって、そっちを参考にした方がおいしいものができるに決まってるよね。

 でも、なんか、本来自分にはできないことが『できること』として目の前に提示されてしまうことの違和感みたいなものはある。世界は広いので、自分にはできないことができる人なんてのはそこら中にいるわけで。そうなるとほとんどすべてのことが『できること』として目の前に提示されてしまうわけで。けれど実際にはそうもいかないことばかりで。

『できること』ができなかったときに、私は自分を責めるようなお門違いムーブをしないようにしたい。







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