2022年11月9日_夜目の利く間に

 人間ドックが秒で終わった。

 現代人は健康を気にしていないのか? というくらいにはスッカスカで、待たされることもなかった。

 よく考えたらこんな時期に人間ドックに行こうというやつが少ないだけなんじゃないかと帰り際に気付いてしまった。こちとら、年度初めに行こうと思ってずるずると先延ばしにした結果11月に足を運ぶようなものぐさ太郎だ。そこらの真面目人間とは育ちが違うんだよ。

 とはいえ、昨日までの不安が嘘のようにマジで何の問題もない健康体だった。

 自分のヘルス志向の高さを見直した的な? やっぱ筋トレとか散歩ってハッピー的な? ナッツとか食べて血液からオーガニックになっちゃう的な?

 とかなんとか茶化しては見るものの、気を付けていることがちゃんと結果に反映されているのだとしたら嬉しいよね。イェイ。


 自らの健康を危惧していたのは、夜更かしをして原稿やイラストを進めている生活が続いていたからで。

 この前なんか作業を終えてから寝る前に聴いた音楽に触発されてファンアートを描いてしまった。Twitterにあるから見て(https://twitter.com/gutei_miyashita/status/1589453335349846018?s=20&t=2ykzBVGjXKxRoorWLzOqvQ)。

 好きなミュージシャン・ウ山あまね氏のニューアルバムに収録されている『タペタ』という楽曲だ(https://youtu.be/XfwbugIRsQA)。

 歌いだしの歌詞が好きで、


『 夜目の利く間に できるだけ遠くへ行く

 そして朝が来るまで 君と彷徨っていたいずっと 』


 優しい声で、いつか叶えたい幻想を映し出してくれていた。

 ウ山さんの曲の優しくてぬるい温度は、疲れたときにこそ異常なほど染みる。それでいてどこか破滅的で尖った感情が腹の底にあることを肯定してくれるような歪な美しさがある。二人で歩けば夜道も悪くないと思えるような曲ばかりだ。全人類が聞くべきだと思う。


 と、まあ推しの布教はさておき。

 ファンアートを送ってから思ったんだけど……私のイラスト、黒すぎじゃね? 日中に見たらドン引くほど夜行性な色味で、スマホのバックライトを明るくしないとよく見えなかった。

 陰キャだからこんな暗い絵を描くんだなあ、などと思っていたけれど、昨日原因が分かった。

 作業している部屋が暗いのだ。

 私は夜作業するときは部屋の明かりを一番光量が少ないモードにしている。部屋が明るいと疲れるような気がしていて、基本的に灯りは弱めているのだ。

 暗い部屋の中で輝くのはディスプレイだけとなると、黒っぽい絵を描いたとしても色の違いは感じ取れる。描いている間に困ることはないんだよな。

 実際のところ、明暗差をしっかりさせようとイラストを修正していたんだけれど、目が疲れちゃうからと思って暗めなトーンで統一させることにした。

 なにより『タペタ』に救われたい私は、光に照らされたいのではなく、暗闇の中でも呼吸をしていたいだけなのだ。

 まあ、どう受け取ってもらったかは分からないけれど、ウ山さんにも届いたので一億点とする。推しのミュージシャンに喜ばれると照れ隠しが発動してなんも話せなくなるので、備忘録がてらここに記しておくことにした。

 私はこれからも勝手ながらウ山さんの曲を楽しませてもらいます。

 今日はこの辺で。


 ところで検査で飲んだバリウムのせいでまだお腹が痛いんですけど。人間ドックのせいで身体が不調を訴えるの、何かがおかしい気がする。

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