ー 第二章 遠足編 ー

第8話 は?!今避けたよね?!

あの後帰宅した俺は、風呂に入った後、学校の課題を終わらせた。

課題を出さなければ、俺の成績は中の下になってしまう。


そしてリビングでいつも通り、夕飯食べる。

今日は目玉焼きのようだ。

俺は目玉焼き本体より、隣に添えてあるウインナーの方が好きだ。


「ただいまー!」


ウインナーを口に頬張っているうちに、父親が帰ってきたようだ。いつも通り、9時頃に帰ってきた。


「あなた、お帰りなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・」


おい母さん。なぜド定番台詞を吐いているんだ。

せめて息子に聞こえないようにやれ。

自分の母親がそんな事を言っているという事実に、頭がグラつく。


「そんな事より、ゲームだ!」


母さんのお誘いを無視して、そのままリビングに走っていった。

残業後のテレビゲームこそが、父さんの日課なのだ。


「さぁ〜今日もやるぞ〜!ス〇ブラ!!」


今日はス〇ブラなのか。

いや、ゲームはいいから、早く着替えろよ。


当の本人はワイシャツのまま、あぐらをかいてゲームをしていた。


「くっ・・・くっそ〜!こいつ中々強いぞ!」


ぎしりしながらゲームをしている。

そこまでしてやる物か?ゲームは。


父さんは"ガード"というものをあまり使わない。

それでは一方的にやられるのは自明の理だ。

だがその話をすると急に"漢"を語り出すので、もう何も言ってはいないが。


そうこうしている内に負けた。お疲れ、父さん。


格闘ゲームは勝利した時の爽快感はかなりある分、負けた時のイラつきも半端ではない。


「くそッ!この便器に吐かれたタンカスどもがッ!!」


イライラこそするが、またやってしまうのがゲームだということも、父さんが教えてくれたのだ。


めげずに今度は、2回戦目が始まった。

相手はゴッツいフォルムで、背中の甲羅?にはとげが生えている。

あの棘に刺されでもしたら、とても痛そうだ。


「あ゛〜いでぇよォ・・・」


父さんの方は、かなりダメージを負っている。恐らく精神的ダメージの方が大きいだろう。

致命傷にこそなってはいないが、コンボを決められまくってる。


そして間もなく・・・

またもや負けた。父親のキャラクターは、虚しく奥の火山に飛んで行った。


「は?!今避けたよね?!ね?!」


俺に聞くなよ。


「くっそぉ、何で勝てなかったんだよォ、途中までは良かったのにさぁ・・・」


バリアを使わないからだ。

勝ちたければ漢なんて捨てろ。


と、こういった風に俺の父親は、ゲームになると人が変わる、ちょっとアブない人なのだ。


朝比奈家が少し騒がしくなった後、俺は就寝した。

目蓋まぶたを閉じ、俺が女子に話しかける場面を想像してみるが、どうしてもイメージが浮かばない。


一体どうなってしまうんだ、俺の遠足は・・・・・・




**********

ご愛読頂き、ありがとうございます!

今回は朝比奈家に焦点を当てた回になっております!

いつもギリギリを攻めております。


騒がしい朝比奈家も楽しそうです。



今回はちょっと短いかもですが、区切りが良かったので、ここまでとします!

それでは!

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