ユニークスキル【攻略サイト】での成り上がり 〜うん。とりあえず分かった事は、このスキルすげぇわ〜

M.N

第1話 『新人冒険者のダンジョン攻略』

 今からおそよそ30年前。


 世界に突如としてダンジョンという数々の建物が出現した。

 建物の中にはモンスターと呼ばれるUMAみたい生物が生息しており、それらは数が増えるやダンジョンの外に出て人類に牙を剥いた。


 その当時、モンスターは〝人類の天敵〟だったと世間一般で認知されている。

 銃弾もガス類もあまり効かず、近代兵器で武装した軍隊がやっとの思いで数体倒せる程の存在だったからだ。



 しかし、今ではその常識は全く変わっている。


 その理由となったのは様々だが、一番大きな理由はやはり『ステータス』という概念が確認出来るようになった事だ。


 ーーー『ステータス』。

 それはレベル・職業・スキルといった二次元上でしかなかったものを人に宿し、更には身体能力までも数値化して可視化するという代物。


 これのお陰で、人々はモンスターを簡単に討伐する事が出来るようになり、そして現在では『冒険者』というモンスターを倒す職業が脚光を浴びるようになっている。



 そしてこの俺、涼風すずかぜそらまた冒険者の一人であり、今日もまたダンジョンに潜っている。

 いや、少し訂正。3週間前に冒険者登録をしたので、新人冒険者の1人・・・・・・・・と言った方がいい。



 ………………。

 ……………………。

 …………………………。






 ☆★ ☆★ ☆★


『ダンジョンボスを倒しました』

『レベルが2上がりました』

『攻略報酬として、アクティブスキル【鑑定瞳 Lv.1】【気配察知 Lv.1】【気配遮断 Lv,1】を習得しました』


「…………はぁぁぁぁ」


 俺は脳内に次々と響いくシステム音を聞き、ようやく安堵の息を吐くことが出来た。


 正直な話、先程のボス戦はかなり危なかったと思う。

 いくら初めて、ましてやFランクダンジョンのボスだったとはいえ、攻めすぎて少し反撃を食らってしまった。次はもっと入念な計画を立てて戦いを挑もう。


 ……と、俺は心の中で反省をし、ドロップアイテムである魔石を拾い背負っているバックにしまう。

 魔石の大きさは見た感じ大きかったので、売却すればかなりのお金になりそうだ。


 そして次に俺は、「ステータスオープン」と唱え半透明のウインドを目の前に出現させた。



 ______________________________

 涼風すずかぜそら「18歳」Lv.10→Lv.12(NEW)

 職業「剣士」


 魔力「F」→「F+」(NEW)

 筋力「E」→「E+」(NEW)

 体力「E」→「E+」(NEW)

 俊敏「E+」→「D−」(NEW)

 耐性「F−」→「F」(NEW)


 〜〜〜保持スキル一覧〜〜〜

 ユニークスキル:なし

 アクティブスキル:【身体強化 Lv.2】【鑑定瞳 Lv.1】(NEW)【気配察知 Lv.1】(NEW)【気配遮断】(NEW)

 ______________________________



 う〜ん、俊敏がDランク台になったのはいい事だけれど、やっぱり他の能力値が全体的に低いな。

 これはまだレベルが低いから仕方のない事なのだろうけど、せめてもう少しは能力値が上がって欲しいもんだ。


 そんな事を考えながら、俺は視線をスキル一覧の方に向けた。

 そこには新しく取得したばかりのアクティブスキルが3つ並んでいる。


 【鑑定瞳】……モンスターや武器を対象に情報を読み取ることが出来る。

 【気配察知】……生物を対象にある程度の気配を察知することが出来る。

 【気配遮断】……自身の気配を消すことが出来る。



「やっぱり、ここのダンジョンを先に攻略して正解だったな」


 俺はついつい嬉しく独り言を呟いてしまった。


 そもそもの話、アクティブスキルはダンジョン攻略の報酬でしか手に入れらない(【身体強化】は例外で、元々取得している)。

 だから、俺みたいな初めたばかりの新人冒険者は、最初のダンジョン攻略でかなり苦戦を強いられてしまう。


 ーーーけど、それも今日までの話だ。

 【鑑定瞳】【気配察知】【気配遮断】は説明の通りとても優秀なスキル。この3つのスキル+【身体強化】のスキルがあれば、ソロでも安全かつ効率的に一段落上のダンジョンを攻略することが出来るだろう。


 俺はそう考え、ステータス画面を閉じる。


「さて。流石に疲れが溜まってきてるし、今日はもう大人しく帰るか」


 主要武器である長剣ロングソードを鞘さやにしまい、背伸びをする。


 本当はこれから数時間程度、レベルアップやスキルの検証も兼ねてモンスターを倒したかった。……けど、疲れが溜まっている状態でモンスターと対峙するのは危険だ。

 何せ、ダンジョンは月に数百人という冒険者を死に導いているのだから。


 そうして俺はボス部屋を後にし、ダンジョンの出入り口へと向かって歩いた。





____________________________________________

分からない所や説明不足な所は、バンバンコメントで言って下さい。


次話のタイトル名は、「【攻略サイト】」です。

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